1996 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解フォトルミネッセンス測定によるカルコゲナイド半導体の励起子緩和過程の研究
Project/Area Number |
07640445
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30239024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 恒一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50159977)
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Keywords | カルコゲナイド / アモルファス / 結晶 / フォトルミネッセンス / 電子格子相互作用 / 緩和過程 / 時間分解測定 / 励起子 |
Research Abstract |
Se,SなどのVI族元素を含むアモルファスカルコゲナイド半導体では、光黒化、光退色、光結晶化などの様々な光誘起構造変化現象がみられる。これらの現象は、光によって励起された電子が緩和する際に、強い電子-格子相互作用を介して大きな格子の変形を引き起こすことによって起こると考えられる。アモルファス物質が熱平衡状態にないということも、構造変化現象を考える上で重要である。このような構造変化には、物質中に2配位で組み込まれているカルコゲン原子が大きく関与していると考えられるが、その詳細はまだ明らかでない。特に、励起電子がどのように緩和するのかという点についての、基本的かつ具体的な理解が不足している。 典型的なカルコゲナイド半導体である結晶GeSe_2について、その励起電子緩和過程についての知見を得るために、フォトルミネッセンスの時間分解測定を行った。結晶GeSe_2は可視域(約2.7eV)にバンドギャップを持つが、バンドギャップ程度のエネルギーを持つ光で励起すると近赤外域(約1eV)に幅の広いガウシアン型のルミネッセンススペクトルを示す。この大きなストークスシフトは、この系の強い電子格子相互作用に起因する。連続発振のレーザー光を光音響変調素子を用いて適当な周期の断続光にしてルミネッセンスの励起に用い、励起光遮断直後からのルミネッセンスの減衰を数100nsecから数msecの範囲に渡って調べた。その際、励起エネルギー依存性(2.0〜2.7eV)、発光エネルギー依存性に着目した。励起エネルギーおよび発光エネルギーによって2種類の緩和が観測された。これらはいずれも寿命0.1msec程度の指数関数型で記述される。この寿命は。GeSe_2ガラスのそれとよく似ており、双方の発光機構に共通する部分が多いことを示している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Inoue: "A model calculation of the characteristic Ruman modes in the tetrahedral network structures of GeSe_2" Physica B. 219&220. 520-522 (1996)
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[Publications] O.Matsuda: "Photoemission and inverse-photoemission study on the electronic structure of p- and n-type amorphous Ge-Se-Bi films" Journal of Non-crystalline Solids. 198-200. 688-691 (1996)
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[Publications] Y.Wada: "Photoluminescence study on glassy- Ge(SxSe_<1-2>)_2" Journal of Non-crystalline Solids. 198-200. 732-735 (1996)
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[Publications] M.Nakamura: "Laser spot size dependence of photo-induced crystallization process in amorphous GeSe_2" Journal of Non-crystalline Solids. 198-200. 740-743 (1996)
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[Publications] Y.Wang: "Temperature dependence of Raman spectra in amorphous,crystalline,and liguid GeSe_2" Journal of Non-crystalline Solids. 198-200. 753-757 (1996)
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[Publications] Y.Wang: "Structure and glass transition in Ge_xSe_<1-x> Studied by Raman scattering" Proc.23rd International Conference on the Physics of Semiconductors. 153-156 (1996)
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[Publications] Y.Wang: "Structural changes at glass-transition in Ge_xSe_<1-x> Studied by Raman scattering" Proc.Yukawa International Seminor 1996. (in printing).