1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640509
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
豊木 博泰 山梨大学, 教育学部, 助教授 (40172209)
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Keywords | 秩序化過程 / 位相欠陥 / 動的スケール則 / ネマチック液晶 / ディスクリネーション / 表面欠陥 |
Research Abstract |
ダイレクターが,下の境界では境界に平行,上の境界では垂直であるようなネマチック液晶の薄い系における秩序化過程に関するセル動力学法による数値的研究を行った. 急冷後の秩序相の形成過程において,位相欠陥がマクロなパターン動力学を支配することが多くの系で知られているが,この系でも,端が下面に固着したディスクリネーション糸が早期のパターンを支配し,その収縮を通して表面欠陥boojumが形成され,その後の発展はboojumの対消滅過程として記述されることを見いだした. 面内の構造因子S(k,t)は広い時間範囲において動的スケール則S(k,t)=〈k〉^<-1>g(k/〈k〉)をみたすが,S(k,t)の1次モーメント〈k〉は単純なベキ変化をしない.これは2次元的な端を持つ糸のパターンが相似性を持たないことに関係している. boojum対が対消滅するまでの対間距離は,時間の1/2乗に比例して減少する.これは2次元系の渦点と同様な対数的相互作用をする事を意味しており,比較的厚い液晶膜の観測事実に一致する.一方,10μm程度以下の薄膜やスメクチック薄膜では紐状のゆがみ(点欠陥を結ぶ紐状の領域にシュリーレンパターンが収縮している)が観測されており,この場合の対間距離は時間に比例して減少する.考えられる原因として,(i)エネルギーの表面頂f_s=-K_<24>∇・[ψ(∇・ψ)+ψ×∇×ψ]の効果,(ii)上下の表面でのanchoring強度の効果について調べたが,どれも紐状のゆがみを作り出さないことがわかった. anchoringの強さは,boojumの生成率に影響することがわかった.現在その定量的な観測を行っているところである.
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Research Products
(1 results)