1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640622
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
竹村 厚司 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (90192632)
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Keywords | 放散虫化石 / ペルム紀 / 古生物学 |
Research Abstract |
四国秩父帯のリン酸塩ノジュールからは、極めて保存良好なペルム紀後期放散虫化石が産出している。まず本年度はこれらの放散虫のうち、Neoalbaillella、Imotoella、Follicucullus等の後期古生代の年代決定に重要なAlbaillellariaについて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた内部骨格構造の最終的検討を行った。クリーニングが殻の最深部まではできなかったが、Neoalbaillella及びImotoellaは石炭紀のAlbaillellaに骨格構造が類似し、FollicucullusはPseudoalbaillellaと共に顕著な骨格のない単純な構造を示すことが明らかとなった。これらのデータより、研究者間で見解の相違が見られた後期古生代のAlbaillellariaには、石炭紀からペルム紀にかけて上記の2つの系統があることが判明した。この結果については、系統・分類の考察を加えたため、及び阪神大震災の被害調査を今年度前半に行ったため、やや予定が遅れ気味ではあるが、現在その記載論文を投稿準備中である。 今年度を通じて、残り少ないリン酸塩ノジュール試料の処理、及びクリーニングを進め、比較的多数のSpumellariaの産出を得ているが、殻の内部はほとんどがマトリックスで充填されており、現在過酸化水素等によるクリーニングを継続中である。古生代のSpumellariaはその中心で内部骨針が連結しているものが多く、正確な分類・記載のためには内部骨格の観察が不可欠である。来年度前半ぐらいまではこのクリーニングを継続したい。 上記の研究と平行して、今年度11月から12月にかけては、科研費国際学術研究によりニュージーランドにおいてペルム系のサンプリングを行った。残念ながら当初目標としていたペルム紀のリン酸塩ノジュールは得られなかったが、保存良好なペルム紀放散虫化石が産出する可能性を示すチャートや珪質岩、石灰岩の試料を得た。現在これらの試料をフッ酸、塩酸などを用いて処理中である。
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