1995 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線分光法による金属・シリサイド薄膜の表面層・界面の研究
Project/Area Number |
07650038
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
中村 初央 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (80076843)
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Keywords | X線分光 / 価電子帯 / 電子状態密度 / シリコン / 非破壊分析 / 化学結合状態 / 遷移金属 / 高融点物質 |
Research Abstract |
シリコン基板上にデバイスを製作する場合、基板上に積み上げた物質と基板との温度依存性を知ることは極めて重要である。シリコン単結晶基板上に金属薄膜を蒸着した試料に熱処理を行った。ハイブリッドデバイス材料として有望視されている遷移金属および高融点金属のタングステンを研究対象とした。この過程を軟X線放射分光法を応用して、表面層・界面の化学結合状態を非破壊で観察した。SiL_<2,3>価電子帯放射スペクトルの励起エネルギー依存性を測定することにより、深さ方向の状態分析を非破壊で行った。得られた結果を、これらの系について、すでに行われているUPS,XPS,イオン散乱法の結果、およびエネルギー帯構造の理論計算と比較することにより、金属/シリコンおよびシリサイド/シリコン系の表面層・界面の価電子帯エネルギー構造および化学結合状態について検討を行っている。シリコンL_<2,3>価電子帯放射スペクトルからは、価電子帯のs対称およびd対称の部分状態密度の情報が得られる。これは広く行われている光電子分光スペクトルが全状態密度の情報を含んでいる点と大きく異なる。したがって、光電子分光スペクトルとX線放射スペクトルの比較から、シリサイドの電子状態について、今まで得られていない部分状態密度に関する情報が得られることを期待している。
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