1996 Fiscal Year Annual Research Report
摩耗面トポグラフィーを用いた表面損傷と潤滑状態評価システムの研究
Project/Area Number |
07650165
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久門 輝正 群馬大学, 工学部, 教授 (20029060)
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Keywords | 摩耗面トポグラフィー / 微細条こんの平均深さ / 平均線深さ / セラミックスの摩耗 / 金属同士の摩耗 / アブレシブ摩耗 / 摩耗状態の監視 / 表面損傷 |
Research Abstract |
摩耗面トポグラフィーが材質の組み合わせや潤滑状態によってどのように変化するかをまず実験的に確かめ,さらに摩擦・摩耗過程のモニタリングの方法として,光ファイバーを利用した非接触表面粗さ測定器および高精度レーザ変位計を用い,同時にCCDカメラを併用して,最も観察しやすいアブレシブ摩耗機構ならびに摩擦・摩耗過程を評価した結果,次のようなことが明らかになった. 1.無潤滑下のセラミックス対金属,無潤滑下および潤滑下の金属同士,潤滑下のセラミックス同士の組み合わせにおいて微細条こんの平均深さSp/b,傾斜角の平均値θと傾斜角分布の標準偏差θrms,平均線深さ1σ,平均突起先端半径r_0などを摩擦・摩耗過程において常時検出できれば,比摩耗量や潤滑状態の変化ならびに焼き付きへの遷移状態を評価できることが明らかになった. 2.微細条こんの総断面積に対する摩耗粉の排出割合α_bや表面損傷の程度と摩耗変質層の厚さを評価できる摩耗性指数Γが増加すると,一般的には比摩耗量は増大する.ただし,移着粒子によって摩耗面が覆われてしまうような場合は逆にΓが増加すると比摩耗量は減少する.この傾向は摩耗面のパラメータSp/b,1σにもみられる. 3.二元アブレシブ摩擦・摩耗の場合には光ファイバーを利用して非接触表面粗さ測定器によってリアルタイムで摩擦係数や比摩耗量の評価ができる.また,高精度レーザ変位計とCCDカメラによってもディスク上の摩耗粒子の移着状態とその量から,摩擦係数と相手ピンの比摩耗量の評価ができることが明らかになった. 以上のような結果を有効に利用するためにはデータの高速の演算が可能な計測システムを開発しなければならない.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 久門輝正: "金属対セラミックスの摩擦・摩耗特性" トライボロジスト. 40巻9号. 776-783 (1995)
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[Publications] 久門輝正: "金属の摩擦・摩耗機構と表面トポグラフィー" 日本機械学会第73期全国大会講演論文集. IV. 148-149 (1995)
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[Publications] 久門輝正: "摩擦・摩耗における表面キャラクタリゼーション" 精密工学会誌. 61巻11号. 1541-1544 (1995)
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[Publications] 久門輝正: "金属の摩擦・摩耗機構と表面トポグラフィー" 日本機械学会第74期全国大会講演論文集. IV. 57-58 (1996)
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[Publications] 久門輝正: "摩擦・摩耗機構に及ぼす突起形状とその高さ分布の影響" 日本トライボロジー学会トライボロジー会予稿集(北九州). 256-258 (1996)
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[Publications] 久門輝正: "アブレシブ摩擦・摩耗過程のモニタリングとその評価法" トライボロジスト. 42巻2号. 135-142 (1997)