1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650233
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 カネ子 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (40108923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 悦郎 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (90006651)
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Keywords | 布地 / 熱伝導率 / 湿分移動 / 伝熱モデル / 接触熱抵抗 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画書に沿って報告するが、研究責任者の高橋カネ子が内地留学に出張したことから、後述のように、計画の順序が7年度と8年度とを逆にして実施したような部分もある。しかしながら、全体を総括するとほぼ順調に研究目的が進められたものと自己評価している。 1.試料内に熱と湿分が同時移動している状態を作り出し精度のよい結果を得ること この目的に関しては、装置を置いている実験室全体の壁・床・天井に50mm厚さの押出し発泡ポリスチレンを置き5mm厚さのベニヤ板で固定する作業を行った。材料および作業は分担者の山田および研究室の大学院生・学部生で約10日間を要し、実験環境は向上したと考えている。また、局所湿度を測定できる湿度計を発注し入手した。現在、この装置の取扱いや測定の習熟に努めている。 2.試料の収集と熱物性値以外の物性値の測定 実験に目で見・手で触れて実験に適した試料を収集することを心掛けた。始めは、試料の入手先が不明で、遅れたが、これまで測定していない素材(例えば絹など)を中心に満足できるものが集められたと考えている。しかし、残念ながら、物性値の測定までには至っていない。 3.伝熱機構の解明と考察を数値解析により行う 今年度最も成果が得られた事項である。即ち、始めに実際の現象を解明するための重ねられた布地のモデルを考えた。次に、このモデルの中の糸の接触部分の熱抵抗の評価に工夫を凝らし、湿分の移動に伴い部分的に水が結露している場合にも適用できるようにした。次に、繊維の熱伝導率・繊維の容積率・結露水分容積率などをパラメーターとして計算を行い、考察を加えると共に、これまでの実験結果とも比較し、実験で得られていた興味ある現象をこのモデルで説明できることを明らかにした。 これらの成果については、機械学会東北支部講演会および日本伝熱シンポジウムに口頭発表の予定であり、また日本機械学会に論文として投稿している。
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