1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650233
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 カネ子 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (40108923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 悦郎 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (90006651)
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Keywords | 布地 / 熱伝導率 / 湿分移動 / 伝熱モデル / 接触熱抵抗 |
Research Abstract |
8年度の研究実施計画書に沿って報告する。7月、内地留学の出張から帰ることにより、7年度に購入した局所湿度計を用いて、湿分移動を伴う布地の湿分流れ方向の湿度分布を測定した。測定に時間を要するため、7年度に購入した布地のすべてにおいては実施できなかったが、全体を総括するとほぼ順調に研究目的が進められたものと自己評価している。 1.湿分移動を伴う布地の湿分流れ方向の湿度分布の測定 実験は環境温度、湿度の影響を受けやすいため、7年度に実験室全体を断熱材で包囲することにより、測定精度は向上した。8年度は局所湿度計を用いた実験を主体に行った。湿分移動を伴う積層布地の湿度分布の測定には同一の試料で、一連の結果を得るには数日間要する。さらに、再現性の検討をした。限られた試料の測定結果であるが、湿分流れ方向の湿度分布は布地の種類によって異なる傾向を示した。しかしながら、本研究の主目的である熱伝導率との関係を定量的に求めるまでには至らなかった。 2.湿分を含む布地の有効熱伝導率との比較検討 本研究では、湿分移動を伴う布地の有効熱伝導率を定常比較法で測定している。湿分移動がない場合より高い結果を示しているが布地の含水量と関連した定量的な結果は得られていない。しかしながら、測定中には布地の含水量を求めることができないことから、湿分移動を伴う実験終了後、短時間で測定可能な非定常法で熱伝導率を測定し、含水量を求め比較検討した。含水量と布地の有効熱伝導率の関係は妥当な結果を得られたが、湿分移動を伴う場合は繊維構造中の熱移動現象が複雑となり、定量的結果を求めるには、さらに検討の余地が残された。 3.数値解析による伝熱機構の解明と考察 数値解析の結果は、7年度にかなりの成果を得られたので、8年度において、機械学会東北支部講演会および日本伝熱シンポジウムで口頭発表している。また、日本機械学会に論文として投稿している。 7年度に提示したモデルは、繊維の集合を考えない糸で、糸の織りのない布地という第1次近似としての単純な構造を考えていることから、分割の粗さによる誤差は小さくないことが想定された。以上のことから、8年度においては、分割数を増やした場合について検討を試みた。まだ、十分ではないが定性的に同じ結果を示した。
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Research Products
(1 results)