1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650246
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Research Institution | Tokyo University of Mercantile Marine |
Principal Investigator |
賞雅 寛而 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (20134851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 宏一 東京商船大学, 商船学部, 助手 (70262334)
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Keywords | 原子炉 / 先進炉 / 受動的安全 / 冷却水喪失事故 / フラッシング / 凝縮 / 振動 / 線形解析 / 圧力 |
Research Abstract |
現在、先進諸国において、原子炉に対する安全性の向上の要求が高まるとともに、事故時の炉水冠水を維持するために格納容器内に水をプールした水張り式の小中型炉が研究開発されている。このタイプの炉は、圧力容器・配管系の漏洩事故もしくは破断事故(LOCA)時に、内部の飽和蒸気もしくは飽和水が格納容器内のプール水によって冷却されるため、受動的安全性に優れていると言われている。この研究では、水張り格納容器型原子炉の圧力容器・配管破断事故時に圧力容器から格納容器に噴出する高圧飽和水のフラッシング・蒸気凝縮現象の基本的メカニズムを明らかにすることを目的として、このような目的のもとに比較的低圧の飽和水をベント管を通じてプール水中に放出する基礎的実験を行った。実験は、飽和水圧力(0.3MPa〜0.9MPa)、ベントノズル孔径(4,5,6mm)、ノズル長さ(1,3.8,10mm)及びプール水温度(20〜60℃)をパラメータとして行った。実験結果より、ベント管出口近傍(phase A)より生じるフラッシングとベント管出口からある程度離れた位置(phase B)で生じるフラッシングが交互に生じる現象(フラッシング振動:Flashing Oscillation,FO)が実験範囲内で起きることがわかった。ベント管内とプール水中の圧力は、FOに同期して振動し、圧力振動のピークはphase B付近で生じる。FOのコントロール容積はプール水中噴出飽和水と蒸気泡であることを確認した上、FOの周波数に及ぼす実験パラメータの影響を調べるため蒸気泡の不安定振動数の線形解析を行った。実験結果より得られた実験式各パラメータの影響は、振動が凝縮に支配される場合の理論式によって説明できることがわかった。得られた結果は、新型舶用炉の格納容器共振設計計算に用いられる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takamasa,T.,Kondo,K.,Hazuku.T.: "Flashing Dscillation in Pool Water" Proc.31st National Heat Transfer Conference. AIchE NO.310 Vol.92. 174-179 (1996)
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[Publications] Takamasa,T.,Yamada,K.,Aya,I.: "Oscillation of High-Temperature,High-Pressure Water Flashing into Pool Water" Proc.10th Pacific Basin Nuclear Conference. Vol.1. 439-445 (1996)
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[Publications] 賞雅寛而、近藤宏一 綾 威雄: "プール水中における高圧飽和水のフラッシング" 日本原子力学会誌. Vol.39 No.1. 78-83 (1997)