1995 Fiscal Year Annual Research Report
液晶を用いた異方性可制御形スクイーズフィルムダンパ
Project/Area Number |
07650278
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森下 信 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80166404)
|
Keywords | 回転体 / スクイーズフィルムダンパ / 液晶 / 振動制御 / 電気粘性効果 / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
平成7年度は主として実験的特性の把握を行った.まず液晶の電気粘性効果について検討した.電気粘性効果の測定には現在所有している回転型粘度計を用いた. 回転体は材料不均一,製作誤差等により固有振動数が鉛直・水平方向で一致せず,一般的に異方性を有する.その時の軸心軌跡は楕円軌道となり,回転数に応じて楕円の長軸方向が変化する.申請者の過去の研究でスクイーズフィルムダンパ軸受の円筒状の軸受面を電極として用いることで,減衰力を変化させることが可能であることが示されている.そこで,スクイーズフィルムダンパ軸受内の電極を分割形とし,減衰力に異方性を持たせることで,軸心軌跡の楕円長軸がいかなる方向でも軸心の振れ回りを小さくするように減衰力を変化させた. さらに,液晶を用いたスクイーズフィルムダンパの特性を理論的に推定する手法について検討を行った.液晶は分散系ER流体より線形的特性を有しているが,それでもなお疑似塑性流体の特性を示した.これを考慮した特性方程式を導くことを試みた. 当初予定していた研究項目をほぼ終了した.まず,分散系の電気粘性流体を用いて,スクイーズフィルムダンパの特性実験を行い,摩擦減衰を考慮した理論式を導き,よく説明できることを明かにした.その結果を日本機械学会論文集に投稿し,掲載を認められた.さらに液晶の電気粘性効果に関する詳細な実験的検討を行い,分散系電気粘性流体との相違を明かにした.
|