1995 Fiscal Year Annual Research Report
有機絶縁材料のトラッキング劣化における酸性雨の影響
Project/Area Number |
07650321
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉村 昇 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (60006674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 誠一 秋田工業高等専門学校, 教授 (00042292)
鈴木 雅史 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (60226553)
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Keywords | 耐トラッキング性 / 耐酸性雨性 / 有機絶縁材料 |
Research Abstract |
屋外に使用される有機絶縁材料は,様々な外的要因によって劣化を受けるが,その中でも公害の悪化等による酸性雨の影響は非常に大きいと思われる。本研究では,(1)酸性雨が電解液として作用した場合の有機絶縁材料の耐トラッキング性,(2)酸性雨により表面が劣化した試料の耐トラッキング性について検討を行った。以下にそれぞれの結果をまとめる。 (1)酸性雨が電解液として作用した場合 耐トラッキング性試験法はIEC Publication 587に従って行った。試験電圧は4.5kVとし,試料としてはポリプロピレン,ポリカーボネート,ABS樹脂,ポリスチレン,ポリエンカビニルを用いた。これらの試料に人工酸性雨溶液を電解液として流し,材料がトラッキング破壊に至るまでの時間について比較を行った。その結果,いずれの試料においても規定汚損液に比べ非常に短時間で破壊に至り,酸性雨は耐トラッキング性に非常に大きな影響を与えることが分かった。また,試験開始後30秒程度で試料表面に数百μmの亀裂が多数確認され,これは通常トラッキング破壊直前に試料表面に起こる現象であることから,人工酸性雨汚損液がトラッキング劣化現象を急速に加速していることを確認した。 (2)酸性雨により劣化した試料の耐トラッキング性 実験方法は(1)と同様であるが,汚損液には規定のものを用い,試料を(1)で用いたのと同様のものを20日間,45日間人工酸性雨中に浸漬し実験を行った。その結果,人工酸性雨に浸漬した全ての試料において耐トラッキング性の低下が認められた。また,人工酸性雨の影響は,表面の撥水性の低下およびクラックのような材料表面に生じる物理的損傷が中心であることを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 敷村 朝生他: "電解液中の酸性雨成分が耐トラッキング性に及ぼす影響" 電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌). 115-A. 783-784 (1995)
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[Publications] 吉村 昇他: "有機絶縁材料の耐トラッキング性に及ぼす酸性雨の影響" 電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌). 115-A. 890-895 (1995)
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[Publications] N.Yoshimura et al.: "EVALUATION OF THE TRACKING CHARACTERISTICS OF OUTDOOR INSULATING" 放電・誘電・絶縁材料合同研究会資料. 9-18 (1995)
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[Publications] 長谷川誠一他: "純粋有機絶縁材料の耐トラッキング性に対するSOx系酸性雨の影響" 平成8年電気学会全国大会資料. (1996)
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[Publications] W.Xinsheng et al.: "Influence of Acid Rain on the Leakage Current of Insulator Surface" 平成8年電気学会全国大会資料. (1996)
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[Publications] 熊谷 誠治他: "酸性雨による屋外用高分子材料の表面劣化現象" 平成8年電気学会全国大会資料. (1996)