1995 Fiscal Year Annual Research Report
液晶アレイを用いたフェムト秒光ペルスへの振幅・位相時間情報の書込みと読み出し
Project/Area Number |
07650401
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神成 文彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40204804)
|
Keywords | フェムト秒光パルス / フーリエ波形整形 / 液晶空間光変調器 / シミュレーティド・アニーリング法 |
Research Abstract |
アレイ型液晶空間光変調器(SLM)のピクセルを個々にパソコンで操作できるシステムを構築して位相マスクとして用い、フェムト秒レーザの強度波形をフーリエ波形整形実験を行った。このSLMは12.8mm幅の中に100μm幅のピクセルが128個配列しており、ITO電極を通して液晶両端に電圧をかけることで透過光の位相をシフトさせる。波長780nmのフェムト秒Ti:サファイアレーザに対して最大7π以上の位相変調が分解能0.01π以下で与えられた。 フーリエ波形整形においては、周波数面において振幅および位相マスクのいずれも使用可能であるが、振幅マスクは全体の光透過特性を単純に劣化させるのでピーク強度を必要とする応用には不向きである。そこで、位相マスクとして用いたときの波形整形の機能性を調べることを目的として、大きく分けて2種類のマスクによって実験した。まず、M系列と呼ばれる相関の高い周期パターンからなる位相マスクによってTHzパルス列の発生を試みた。波長分散素子として2000line/mmの回折格子を用いることによってパルス間隔約0.5psのパルス列を理論通りに形成できた。我々は、このパルス列を半金属Biのコヒーレントフォノン励起に応用し、パルス重畳効果を確認した。次に、入力フェムト秒パルス波形をターゲットとなる整形パルスに整形するための位相マスクをSimulated-Annealing法を用いて設計し実験結果から本設計法の妥当性を調べた。この場合には、パルス間隔、パルス間の相対強度比を任意に設定でき、SLMの微細構造(ピクセル間の隙間等)を考慮して設計することで極めて高精度のマスク設計が可能であることが実際の波形整形実験から得られた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] K. Takasago, T. Itoh, M. Takekawa, K. Utoh, F. Kannari: "Design of Frequency-Domain Filters for Femtosecond Pulse Shaping" Japanese Journal of Applied Physics. 35(未定). (1996)