1996 Fiscal Year Annual Research Report
溶融フラックスの塩基度の尺度としての白金の溶解平衡
Project/Area Number |
07650867
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 茂子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40217849)
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Keywords | 塩基度 / スラグ / 酸化物融体 / 白金 |
Research Abstract |
昨年度は白金のフラックス中への溶解度の測定方法を確立し、Na_2O-SiO_2系において組成依存性、酸素分圧依存性、温度依存性を明らかにするとともに、BaO-Al_2O_3系、BaO-SiO_2系、CaO-Al_2O_3系、CaO-SiO_2系について組成依存性の測定を行った。 本年度は引き続き、主に1600℃でCaO-Al_2O_3-SiO_2系、BaO-MnOx系、BaO-CuOx系の測定を行い、何れの場合も白金の溶解度は塩基性酸化物の含有量と共に増加し、1600℃のBaO-CuOx系の場合は最大10%以上の白金濃度を得た。また、他の精錬能の尺度であるフォスフェライトキャパシティー、サルファイドキャパシティー、カーボネイトキャパシティーとの相関および酸素分圧依存性から、上記の塩基性フラックス中では白金はPtO_2^<2->として存在することが示唆された。 CaO系のフラックスについては個々の系が異なる場合でも白金溶解度とCaOの活量との間によい相関関係が得られ、シリケート間の比較により酸化物の塩基性がCaO、Na_2O、BaOの順に大きくなることが確認された。また、BaOとMn_2O_3ないしCu_<22>Oの二元系フラックスは非常に塩基性が強く、金属の精錬フラックスとして有望であることが示唆された。 製鋼スラグの模擬系であるCaO-SiO_2-FeO系についても、同時に測定したフォスフェイトキャパシティーと白金の溶解度の間に相関が見られ、実際の製鋼スラグへの応用の可能性が明らかになった。 以上の結果から、白金の溶解度が種々のフラックスの塩基度の定量的尺度として用いられる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)