1995 Fiscal Year Annual Research Report
低品位ニッケルラテライトの還元鉱からの希硫酸浸出-浄液-溶媒抽出分離
Project/Area Number |
07650877
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
光冨 勝義 福井工業大学, 工学部, 教授 (30247499)
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Keywords | ニッケルラテライト鉱 / 還元ペレット / 希硫酸浸出 / オゾン酸化 / Fe,Mn酸化除去 / Cu,Zn硫化除去 |
Research Abstract |
インドネシア国ゲ-ベ鉱山産蛇紋岩質ニッケルラテライト鉱を70mesh以下に粉砕し、これに石炭、硫黄、ベントナイトを混合して、950℃、3時間で還元したペレットを湿式粉砕して、希硫酸で浸出した。浸出過程で空気曝気とオゾン曝気によるNi,Co,Fe,Mn,Mgの浸出率に及ぼす影響を比較検討した。19.2ml/min O_3で2時間曝気した場合、ORPは+1,050mv以上となり、Feの100%を、Mnの96%を酸化除去できるが、一方,Mgの23%がNi,Coは93%が浸出される。1,000ml/min空気で7時間曝気した場合には、ORPは最高+300mvしか上昇しないため、Ni,Coの浸出率はO_3を使用した場合と大差ないが、Feの90%が、Mnの30%が、酸化除去されるにすぎない。一方、Mgは10〜15%のみが浸出される。したがって、Ni、Coを90%以上浸出し、同時にFe,Mnを100%近く酸化除去し、さらにMgの浸出率を15%以下に抑制するために、上記還元ペレットを0.025mol/dm^3希硫酸で2時間、1,000ml/minの空気で酸化浸出し、その後19.2ml/minのO_3で酸化浸出した。酸化浸出温度55〜57℃、最終pHを3.00、ORPを+1,050〜+1,070mvに制御しながら浸出すると、Ni,Coは92〜93%が浸出され、Feは100%、Mnは96〜97%が酸化除去される。しかも、Mgは10〜12%のみ浸出され、初期の目的を達成することができた。褐鉄鉱質鉱に対しても本法を適用した結果、蛇紋岩質鉱と同等の成績がえられることが判った。なお、これらの浸出貴液中に微量存在するCu及びZnイオン濃度はそれぞれ、6.76×10^<-5>mol/dm^3,1.28×10-4mol/dm^3にすぎないが、これらはH_2Sを吹き込み、ORPを-120mv、pHを2.80〜3.00に調整することにより、Ni,Coを液中に100%残留させながら、Cu,Znを選択的に硫,除去できることも判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 光冨勝義: "ゲ-ベ鉱山産蛇紋岩質ニッケルラテライト鉱の還元ペレットに対する希硫酸浸出と脱鉄一脱マンガンの研究" 福井工業大学研究紀要. 26. 1-7 (1996)
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[Publications] 光冨勝義: "ゲ-ベ鉱山産蛇紋岩質ニッケルラテライト鉱の還元ペレットに対する希硫酸浸出液からの脱鉄一脱マンガン及び不純物金属イオンの除去に関する研究" 資源.素材学会平成8年春季大会研究.業績発表講演集. 158 (1996)