1995 Fiscal Year Annual Research Report
超イオン導電体を用いた限界電流検出型常温作動固体酸素センサの開発
Project/Area Number |
07651005
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
桑野 潤 東京理科大学, 工学部, 助手 (70084390)
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Keywords | 酸素センサ / 酸素 / イオン導電体 / 常温 / フッ化物 / 固体電解質 / 固体センサ / 電気化学センサ |
Research Abstract |
本年度は、酸素還元種に対する拡散律速層として、イオン導電体-絶縁体からなる混合物を用いる電流検出型小型固体酸素センサ(基本構造:Ag|Ag_4I_6WO_4|PbSnF_4-絶縁体|検知極材料混合層)を試作して、次の1)から3)項を目的として、研究を実施した。1)イオン導電体-絶縁体の混合物から成る拡散律速層の検討--電気的絶縁体として、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ポリ塩化ビニル、PTEF、フタロシアニン類を替えて用いたところ、全ての場合に、添加量の増加と伴に応答電流値が減少し、応答が速くなるという、絶縁体のブロッキング効果が現れた。なかでも、フタロシアニン類と酸化物のとき、応答速度、感度、ヒステリシスの点で優れたセンサーが得られた。この拡散層を設けないときと比べると、応答時間が約1/2-1/10になり大幅に改善されることがわかった。混合組成には最適比があり、鉄フタロシアニンの場合は約70vol%であった。PbSnF_4-絶縁体層|検知極材料混合層の二層は、混合して一層としても同様の効果が得られることもわかった。2)検知極混合物中の鉄フタロシアニンの応答機構における役割の解明--鉄フタロシアニン混合した場合、最も速い約40秒の応答が得られた。しかも、酸素の一電子還元から二電子還元に電極反応が変化し、検出電流が酸素分圧の1/2乗に依存するようになった。鉄フタロシアニンの役割は上記のブロッキング効果とこの還元触媒の役割を同時に果たしていることがわかった。3)電極材料粒子のアスペクト比、表面形態などの応答特性に及ぼす影響の検討--検知極混合層に電子導電体として白金および各種炭素材料、導電性繊維を混合した結果、アスペクト比が大きく、表面が極めて平滑なSi-Ti-C-O短繊維を混合した場合、従来報告された常温作動固体酸素センサー中で最も速い25秒で応答が実現できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Hanamoto: "Amperometric response of ambient temperature oxygen sensors based on insulating material-dispersed PbSnF_4 layers" Sensors and Actuators B. 24-25. 438-442 (1995)
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[Publications] T.Eguchi: "Towards a room temperature, solid state, oxygen gas sensor" Materials Research Bulletetin. 30. 1351-1357 (1995)
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[Publications] 鈴木 亨: "多結晶PbSnF_4電解質を用いた電流検出型固体容存酸素センサーの応答特性" 電気化学. (印刷中).