1996 Fiscal Year Annual Research Report
電顕in situハイブリダイゼーション法による植物ウイルスの増殖機構の研究
Project/Area Number |
07660054
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
細川 大二郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (50014957)
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Keywords | in situハイブリダイゼーション / 電子顕微鏡 / RNAプローブ / 金コロイド法 / タバコモザイクウイルス / ジャガイモXウイルス |
Research Abstract |
現在、まだ電顕レベルのin situハイブリダイゼーション法は十分に確立されたものがないため前年度には前包埋法によるin situハイブリダイゼーション法について検討したが、今年度は後包埋法について、固定や包埋法、核酸プローブや標識マーカーの種類、ハイブリダイゼーション反応やその可視化などについて検討した。供試ウイルスにはタバコモザイクウイルス(TMV)及びジャガイモXウイルス(PVX)を用いた。これらのウイルスを接種したタバコプロトプラストを4%パラホルムアルデヒドと0.5%グルタルアルデヒド混合液で、4℃で、2時間固定し、アルコールで脱水後、Lowicryl K4Mに包埋し、超薄切片を作製したのち、ジゴキシゲニン標識RNAプローブでin situハイブリダイゼーションを行い、抗ジゴキシゲニン抗体と反応後、金コロイド標識抗ヒツジIgG抗体で可視化する方法によりシグナルを検出することができた。そこで、この方法を用いて、TMV及びPVXのRNAのタバコプロトプラスト内における局在を調べ、次ぎの結果を得た。すなわち、TMVでは、プロトプラストの細胞質の一部にやや電子密度の高い部位が生じ、そこに金粒子の標識が認められた。このプロトプラスト内におけるウイルスRNAの局在部位とその合成部位の関連を明らかにするため、[^3H]-ウリジンの取り込みによる電顕オートラジオグラフィー法を用いて、プロトプラスト内におけるTMV-RNAの合成部位を検討した。その結果、[^3H]-ウリジンの取り込みによる現像銀がプロトプラストの細胞質のウイルス粒子の集塊の近傍に認められた。PVXではウイルス接種4時間後からプロトプラストの細胞質の一部に金粒子の標識が認められ、金粒子は数個から10個位が集合して観察され、接種後の時間が経過するにつれて金粒子の標識部位はやや大きくなり、数も多くなった。この金粒子の標識部位は細胞質基質であり、特別の細胞構造は認められなかった。
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Research Products
(1 results)