1995 Fiscal Year Annual Research Report
中国の乾燥地緑化植物を用いた海岸砂地の先行造林に関する研究
Project/Area Number |
07660203
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
徳岡 正三 京都府立大学, 農学部, 助教授 (20046501)
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Keywords | スナヤナギ / アブラヨモギ / サビナビャクシン / さし木法 / 先行造林 |
Research Abstract |
1.スナヤナギとアブラヨモギ苗畑でさし木の方法や先行造林樹種としての適性を検討した。(1)スナヤナギはかなり大きなさし穂(長さ1.8m)でも十分に発根・成長することが確かめられた。(2)こうした大きなさし穂を使い、切口の他先端もさし付ける、いわば逆U字型のさし木を行ったところ、他のどのような方法よりも高い発根成績が得られた。この方法だと通常のさし木に比べ、(1)風に対する抵抗が強く、さし付け部と土とが離れにくい、つまりさし木の発根・成長にとって有利である、(2)さし穂主軸から伸びる一次シュートが一直線状に揃って立ち上がり、密植状となり、防風の効果をあらわす、(3)逆U字型で密にさし木すれば、トンネルができ、その部分は遮光されたり、風速が弱められるので、後継樹の植栽・初期成長に適した環境がつくられる、などの効果がある。(3)スナヤナギは他の植物と競争下にあるときとないときで極端な成長の違いを示した。このことは海岸砂地など植被の少ないところでスナヤナギを育て、しかる後スナヤナギの防風効果を利用して後継樹を植栽すると、後継樹の成長にともないスナヤナギが衰退していく、という経過が予測される。以上の成果や予測スナヤナギが先行造林樹種として適しており、先行-後継造林をいかに行うかの一つの方向性が得られたといえる。(4)アブラヨモギも大きなさし穂(長さ90cm)とし、また深くさし付ける方が高い発根成績が得られた。2.海岸砂地ではサビナビャクシンを加えた3植物の直ざしを行った。スナヤナギはどのような方法でも発根・成長したが、アブラヨモギとサビナビャクシンは翌年度の春以降の成長状態をみるまでは越冬が順調に行われたかどうかの判定はむずかしい。次年度はこの結果を調べ、さらにさし木法を検討するとともに、逆U字型さし木でできるトンネルにサビナビャクシンやアブラヨモギをさし付けたり、クロマツなどの播種を行い、効果を確認したい。
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Research Products
(1 results)