1996 Fiscal Year Annual Research Report
中国の乾燥地緑化植物を用いた海岸砂地の先行造林に関する研究
Project/Area Number |
07660203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
徳岡 正三 京都府立大学, 農学部, 助教授 (20046501)
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Keywords | スナヤナギ / アブラヨモギ / サビナビャクシン / さし木法 / 海岸砂地 |
Research Abstract |
1.(1)前年、海岸砂地に3プロットを設け、スナヤナギ、アブラヨモギ、サビナビャクシンの直ざしを行った。サビナビャクシン以外は、今年の春から新シュートの伸長がみられたが、クロマツ-ニセアカシア林中に設けたプロットにさし付けたスナヤナギだけが数本生存した以外、夏までに全て枯死した。サビナビャクシンには発根した個体は認められなかった。アブラヨモギは当初順調な成長が見られたが、7月に突然全てが枯死した。塩風とともに、夏の高温、乾燥の影響から考えられたが、特にサビナビャクシンの海岸砂地での直ざしは困難なことが予想された。(2)海岸砂地に新たに2プロットを設けて、切口の他にさし穂の先端もさし付ける、いわばアーチ型(逆U字型)のさし木をスナヤナギ(長さ1.0m)を用いて行った。この場合も当初順調に新シュートを伸ばしたが、やはり遅くとも8月までには全て枯死した。アーチ型で密植すればトンネル状の空間部分ができるが、この部分に播種したクロマツの発芽も、スナヤナギが枯死したために、効果を比較することはできなかった。(3)上述の厳しい気象条件を緩和するために、割り竹を用いた防風柵を設け、また砂地という貧栄養もさし穂の抵抗性を弱めていると考えられることから、秋には畑土の一塊を客土して、その中に切り口が入るように新たなさし木を、アーチ型を含め2,3の方法で行った。来年度この試験の結果を追跡する。(4)さらに来年度はスナヤナギに対し、より強力な防風柵を設け、どこまで保護が必要なのかについて試験を行い、海岸砂地での利用の可能性について結論を得たい。2.一方、苗畑では最適なアーチ型さし木の方法を求める実験を行った。しかしこの場合も夏に枯死する事態が生じた。アーチ型の効用は未だ明らかでないので、例えばさし付け深さを深くするなどによって、こうした枯死の事態が回避できるかどうかを含め、続けてアーチ型さし木の研究を行いたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 徳岡正三: "中国の半乾燥地の緑化に用いられるスナヤナギ(Salix psammophila)について(II)さし付け方法別、さし穂の大きさ別さし木" 森林応用研究. 1. (1997)
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[Publications] 徳岡正三: "同上(III)雑草がスナヤナギの成長に及ぼす影響" 森林応用研究. 2. (1998)
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[Publications] 徳岡正三: "スナヤナギ(Salix psammophila)を用いた海岸砂地における先行造林の試み(I)海岸砂地の直ざし" 京都府立大学演習林報告. 42. (1998)