1996 Fiscal Year Annual Research Report
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07660222
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
梅澤 俊明 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80151926)
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Keywords | リグナン / 生合成 / 立体化学制御機構 / リグナン合成酵素 / 立体選択性 / セコイソラリシレジノール / ピノレジノール / ラリシレジノール |
Research Abstract |
前年度の研究により、リグナン生合成の立体化学機構は、従来の予想を遥かに超えて、樹種により大きく異なることが示唆された。そこで、この点をさらに詳細に検討し、リグナン生合成の立体化学機構を統一的に解明する第一歩とした。すなわち、従来のリグナン生合成研究では、植物材料として、主にレンギョウ属植物(Forsythia spp.)が用いられており、そのリグナン生合成の立体化学機構についても、かなり知見が蓄積してきた。そこで、本年度は、レンギョウ属植物とは反対のエナンチオマーを産生(あるいは蓄積)する植物(ガンピ(Wikstroemia)属およびコミカンソウ(Phyllanthus)属植物)について、リグナン生合成の立体化学機構を検討した。まず、前年度に引き続き、ガンピ(Wikstroemia sikokiana)のリグナンを精査し、そのエナンチオマー組成を、対応するラセミ体の重水素標識標識リグナンを内部標準に用い、正確に決定した。さらに、安定同位体標識化合物を基質に用いたフィーディング実験により、ガンピのリグナン生合成経路の概略を決定した。これらの結果を基に、光学的に純粋なリグナンが生成する生合成経路上の段階を決定した。また、ヒメミカンソウ(Phyllanthus ussuriensis)についても、リグナンの精査とその生合成経路について検討した。 以上の結果と、すでに報告したレンギョウ属植物(Forsythia spp.)およびゴボウ(Arctiumlappa)の場合の結果を合わせ、(1)優先的に生成するエナンチオマーおよびエナンチオマー過剰率が植物によって異なること、および(2)光学的に純粋なリグナンが生成する生合成経路上の段階が植物によって異なることが明かとなった。そして、リグナン生合成の立体化学機構は、従来の予想を遥かに超えて、樹種によって極めて多様であることが結論づけられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 梅澤俊明: "樹木抽出成分特にリグナン生合成の研究動向" APAST(森と木の先端技術情報). No.20. 15-19 (1996)
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[Publications] 梅澤俊明: "リグナンの生理活性と生合成" 木材学会誌. 42. 911-920 (1996)
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[Publications] Umezawa,T.: "Lignans In “Springer Series in Wood Science,Biochemistry and Molecular Biology of Wood" (Ed.Higuchi,T.)" Springer-Verlag, 362 (1997)
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[Publications] Umezawa,T.,Okunishi,T.,Shimada,M.: "Stereochemical Difference in Lignan Biosynthesis in Arctium Lappa,Wikstroemia sikokiana,and Forsythia spp. In “ACS Symp.Ser." (Eds.Lewis,N.G.,Sarkanen,S.)" American Chemical Society (in press), (1997)