1995 Fiscal Year Annual Research Report
培養器外直接発根法による植物苗の急速大量生産に関する環境調節工学的研究
Project/Area Number |
07660349
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 助教授 (60092087)
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Keywords | 植物 / 苗 / 組織培養 / 環境調節 / 大量生産 / 培養器外直接発根法 / 発根 / 順化 |
Research Abstract |
本研究の「培養器外直接発根法」は、従来の培養法における培養器内でのシュート伸長シテージ・発根ステージ、および培養器から取り出した後の順化ステージの時系列的な3ステージを、環境制御技術によって培養器を用いることなく光独立栄養成長条件下で同時並行的に達成しようとする方法である。 本年度は、継代培養された培養由来のイチゴ小植物対を実験材料に用い、環境制御装置を利用して、この「培養器外直接発根法」における栽培環境条件と外植体/小植物の成長との関係を明らかにするための試験を主に行い、以下のような成果を得た。 (1)本方式の成否に関わる特に重要な環境要因であるところの光強度が、外植体/小植物体の発根・成長に及ぼす影響を、培養液濃度との関係で調べた。その結果、(1)光強度がある程度まで高い方が、外植体/小植物体の発根および成長が促進され、(2)光強度が低い場合には、培養液濃度が発根・成長に及ぼす影響が小さいが、光強度が高くなると培養液濃度の影響度が大きくなることが分かった。 (2)外植体がおかれた周辺の気流速度と外植体からの蒸散速度の関係を調べた結果、光強度・湿度環境が同じ場合でも、気流速度によって蒸散速度が大きく異なり、外植体/小植物体の成長抑制や枯死を避けるためには、湿度のみならず気流速度の制御も重要であることが示された。 (3)植体の大きさ(重さ)とその後の発根・成長の関係を調べた結果、適切に環境制御すれば、外植体が小さい方が相対成長速度は高くなり得ることが実験的に示され、従来の培養法に較べ、この方法では苗化期間の短縮と小苗生産が可能であることが示唆された。
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