1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660437
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
平川 守彦 琉球大学, 農学部, 助手 (90175555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 忠旦 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (90115535)
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Keywords | 熱帯果樹 / 黒毛和種 / 放牧 / 食害防御 / 被食率 / 被害率 / ビワ / グァバ |
Research Abstract |
【目的】本研究は,放牧草地生態系へ熱帯果樹を導入し,肉生産と果樹生産の両立について考察しようとするものである。 【材料および方法】熱帯果樹はグァバとビワを用いた。供試家畜は,黒毛和種経産牛3頭(平均体重370kg),黒毛和種未経産牛4頭(20ヶ月齢)の合計7頭を放牧した。グァバとビワの苗は放牧地に約4m間隔で移植し、長さ1.5の支柱を苗のわきに立て,上からネット袋で被覆し供試牛を放牧した(ネット試験)。退牧時にグァバとビワの被食率とネット被害率を調査した。次に苗の四方に鉄製(直径8mm,12mm)の支柱を4本立て,支柱に金網ネットを縛り付け苗を囲った。(金網試験)。ネット試験と同様に6回の放牧試験を行った。試験期間は7月から1月まで行った。 【結果】ネット試験:1日平均被食率はグァバ区において4.3%,ビワ区において1.9%で,ビワの被食率が低かった。しかし,両果樹間において有意な差は認められなかった。1日平均ネット被害率はグァバ区7.7%,ビワ区8.6%でほとんど差はなかった。 金網ネット試験:1日平均被食率はグァバ区1.6%,ビワ区0.7%でネット試験と比べ,著しく低い値であった。1日平均被害率はグァバ区3.7%,ビワ区1.0%で,ネット試験の約1/5〜1/8の低い被害率であった。 放牧草地の草量と被食率の関係をみると草量が減少すると果樹の被食率が増加した。また,放牧日数と被食率・被害率の関係をみると放牧日数が増加するにつれて果樹の被食率,ネットおよび金網の被害率は増加した。 以上の結果からネット試験よりも金網ネット試験の方が放牧牛に対する果樹食害防御の高いことが明らかになった。
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