1996 Fiscal Year Annual Research Report
木質系資源の一用途としての活性炭の家畜飼料への添加効果
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07660438
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
飛岡 久弥 九州東海大学, 農学部, 教授 (10140956)
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Keywords | 活性炭 / めん羊 / 増体 / 飼料要求率 / ルーメン液性状 / 血液性状 / メタン産生 |
Research Abstract |
活性炭とともに杉木炭を濃厚飼料多給下の子めん羊に経口投与して成長に及ぼす効果を検討するとともに、ルーメン液や血液性状への影響を調査した。 濃厚飼料/粗飼料の比が7/3の飼料を乾物で1日1頭当たり体重の約2.6〜3.0%を給与した。給与飼料乾物当たり0.5%の活性炭あるいは杉木炭を経口投与した。第1試験では3元配置法により、第2試験では去勢雄と雌めん羊を用いて、それぞれ3×3のラテン方格法により試験を行った。第1試験では飼料摂取量や増体量に大きな差はなかったが、第2試験では活性炭区で増体量が改善される傾向が認められた。ルーメン液のpHは処理間で差は見られなかったが、酸化還元電位、プロトゾア数およびアンモニア熊窒素濃度は全体的に処理区で減少する傾向があった。血液成分は、全体的に活性炭区の血糖値が高くなり、杉木炭区の総コレステロールが高くなる傾向が見られたが、アルブミン/グロブリン比は活性炭区の雌が対照区より高かった。TBA値は、杉木炭区が他区よりも若干高かったが、雌では逆に低くなる傾向が見られた。CPK活性はいずれも活性炭を添加することで対照区よりも低くなる抵抗を示した。GOTおよびγ-GTP活性について第1試験では杉木炭区が他区よりも高く、3週目で減少し、6週目で増加するという特異的な傾向が見られた。Al-P活性は活性炭区、杉木炭区の順に対照区よりも高くなる傾向を示したが、杉木炭区は雌雄間で異なった傾向を示した。白血球数は第1試験と第2試験では異なったパターンを示した。白血球構成比について単球は活性炭区で飼料給与後に上昇する傾向があり、リンパ球は杉木炭区において飼料給与後に上昇したが、雌の杉木炭区では減少する傾向があった。好中球は杉木炭区の去勢雄が減少するのに対して、雌が飼料給与後に増加する傾向がみられ、雌雄間で異なるパターンを示した。 以上の結果、活性炭の子めん羊への投与は、増体や飼料要求率の改善に一定の効果があると判断された。血液成分の中で、特にTBA値、CPK、GOT、γ-GTP、Al-P活性については指標因子になると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Tobioka et al.: "The effect of actirated charcoal on growth,ruminel characteristics and blood profiles in growing sheep" Annales de Zootechnie. 44 (suppl). 289 (1995)
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[Publications] 東隆博 他: "濃厚飼料多給下の子めん羊の血液酵素活性に及ぼす活性炭と杉木炭 給与の影響" 九州東海大学農学部紀要. 16巻. 9-15 (1997)
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[Publications] 飛岡 久弥: "新畜産ハンドブック" 講談社, 578 (1995)