1996 Fiscal Year Annual Research Report
化学修飾によるロイコトリエンA_4水解酵素の活性中心の構造解析
Project/Area Number |
07670135
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
大石 展也 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30231195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 教授 (80127092)
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Keywords | ロイコトリエンA_4水解酵素 / アミノペプチダーゼ / ベスタチン / N-アセチルイミダゾール / 活性中心 |
Research Abstract |
平成7年度の研究結果から、LTA_4水解酵素は、N-アセチルイミダゾールによるアセチル化によってLTA_4水解酵素活性とアミノペプチダーゼ活性共に低下し、それは可逆的阻害剤のベスタチンによって阻止されること、活性の低下が中性ヒドロキシルアミン処理によって回復することから、ベスタチン結合部位近傍におけるTyrあるいはCys残基のアセチル化が酵素活性に影響すると推定された。 そこで、ベスタチン結合部位の性状を明らかにするため、ベスタチンとロイシンチオールによる酵素活性の阻害様式を検討した。その結果、ロイシンチオールは、LTA_4水解酵素活性とアミノペプチダーゼ活性共にcompetitive typeの阻害を示したが、ベスタチンは、LTA_4水解酵素活性に対してuncompetitive type、アミノペプチダーゼ活性に対してcompetitive typeの阻害を示すことから、ベスタチンの結合部位はアミノペプチダーゼ基質結合部位と重なるが、LTA_4結合部位とは異なることが示された。 次に、酵素のアセチル化により生じるO-acety1-Tyrの残基数を275nmの紫外吸収値から求めたところ、ベスタチンによって1.7残基のTyrのアセチル化が阻止されることが示された。一方、DTNBによってSH基の定量を行ったところ、アセチル化酵素と非修飾酵素共に9残基のSH基が存在し、この条件でのアセチル化ではCys残基は修飾されないことが判明した。従って、ベスタチン結合部位近傍に存在するTyr2残基のアセチル化によって、2つの酵素活性が低下すると考えられたが、基質結合部位との関係から、これらのTyr残基の2つの酵素活性における役割が異なることも推定される。
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