1995 Fiscal Year Annual Research Report
慢性炎症性疾患の病因としての細菌感染関与の有無についての研究
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07670512
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 正也 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (50261293)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / in situ PCR / 細菌感染 / 16s rRNA / 細胞内細菌生存 / 慢性肉芽腫性疾患 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ患者の関節液細胞を用いて、cell suspensionの状態でin situ PCRを施行した。これは、細胞を固定後、普通のPCRチューブに入れ、直接法で細菌に共通のprimerを用いて、in situ PCRを行うものである。この方法では、組織では生じるprimer非依存性の非特異的反応は、19検体中1検体に認められるのみで、大部分の検体では問題なかった。これは、in situ PCRをcell suspensionで行う場合、in situ hybridizationと組み合わせる間接法を行わなくても、直接法で検出できることを意味しており、浮遊細胞を材料とする場合有用な方法と考えられた。関節液細胞は、これまで19検体を検討し、1検体で細菌の陽性者が認められた。さらにこの検体の上清中のPCR productは予想されるサイズであり、何らかの細菌がこの患者の関節液細胞中に存在していたことが示唆された。この方法での問題点は、陽性コントロールがないことであり、陰性例については、false negativeの可能性もあり、さらなる検討を要すると考えられた。 関節液細胞を用いた検討で一部の症例に細菌陽性者がいたという結果が、他の慢性関節リウマチ患者にも普遍的なものか否かについて、多数例の解析が必要と思われた。また、細菌が普通は滑膜組織のみにとどまって、特殊な例でのみ関節液に現われている可能性もあり、インサイチュウPCRシステムを用いての滑膜組織での検討が重要と考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 向井正也: "抗リン脂質抗体症候群" 看護技術. 41. 45-47 (1995)
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[Publications] 向井正也: "抗生物質療法ガイド 3.抗生物質の実際 C.特殊な患者、特殊な状態での抗生物質療法のポイントと注意点。膠原病患者。" Medical Practice臨時増刊号. 12. 402-403 (1995)
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[Publications] 向井正也: "In situ RCR:その応用と問題点" 日本臨床免疫学会会誌. 19(印刷中). (1996)
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[Publications] 向井正也: "SLEの臨床:自己抗体の多様性" 病理と臨床. (印刷中). (1996)