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1996 Fiscal Year Annual Research Report

HBウイルス感染細胞における細胞障害の機序の検討

Research Project

Project/Area Number 07670622
Research InstitutionTokyo Women's Medical College

Principal Investigator

加藤 多津子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20177455)

KeywordsB型慢性肝炎 / Pre-S2タイプ / キラーT細胞
Research Abstract

研究実績の概要
B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染状態は、大別して、肝細胞障害を全く起こさない無症候性キャリアーといずれ肝硬変や肝細胞を発生母地となりうる慢性肝炎患者群に区分できる。同じウイルス感染により、このような全く異なった病態が発現するその詳細な機構については全く分かっていない。今回の研究は、HBV持続感染状態から慢性肝炎発病の機構を解析することを目的におこなった。
HLA-A24の表現型を持つB型慢性肝炎患者におけるHBVの特徴を解析したところ、Pre-S2領域に特定の変異の認められるHBVを持つ患者が多く存在する事があきらかになった。我々は、この特徴的なPre-S2領域変異を持つHBVをI型pre-S2HBVとなずけた。このI型pre-S2HBVは、肝炎鎮静化に伴いこの領域の突然変異がみられ、他のpre-S2の核酸配列を持つウイルスへと変異することより、この領域の遺伝子により支配されるペプチドを認識するキラーT細胞(CTL)の存在が、慢性肝炎発病に重要な役割を担っている事が推測された。この仮説に基づき、われわれは、HLA-A24を持つB型慢性肝炎患者の末梢血リンパ球を用いて、pre-S2ペプチドを認識するCTLの存在について検討するため、CTLクローン細胞の作製を試みた。その結果、pre-S2ペプチドを認識するCTLクローンを確立でき、その性状を検討したところ、いずれもγIFNを産生するクローンである事を証明できた。
以上の結果から、わが国で、最も多く認められるHLA-A24を持つB型慢性肝炎患者においては、HBVのpre-S2領域の変異と、その変異したウイルス由来の抗原を認識するCTLが重要な役割を担っている事を明かにできた。

URL: 

Published: 1999-03-07   Modified: 2016-04-21  

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