1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラット食道静脈瘤モデルと伊東細胞に対する各種血管作動物質による食道静脈瘤治療
Project/Area Number |
07670631
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
井上 良一 近畿大学, 医学部, 助教授 (40144357)
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Keywords | ラット食道静脈瘤モデル / 血管作動物質 / プロプラノロール / ニプラジロール / オクトレオタイド / 伊東細胞 / 食道静脈瘤薬物療法 |
Research Abstract |
1)オリンパスOES針状硬性鏡A7001を町田EW-10Aと東芝TEC-70Aを介して、電子内視鏡東芝EES-70Aに導き、ラット食道内視鏡システムの改良を行った。ビデオ録画はSONYのU-matic VTRに録画した。 極細径のオリンパスOES硬性鏡(A7001)を導入する事により、ラット食道内視鏡システムをより精度の高いものにセットアップ出来た。硬性鏡の径が、1.2mmは世界で一番の細さである。これにより、ラット食道静脈瘤を圧迫する事なく内視鏡観察が自由に出来るようになった。 食道静脈瘤のgradeは、内視鏡画面より、内視鏡的感心領域(Endoscopic ROI、以下EROIと略す)を設定し、そこより食道静脈瘤の比率をコンピュタ-で算出し、客観評価を可能にした。 2)その画像解析の方法は、現在のところ、Power Macintosh 8500を増設メモリーADM-8M168Sで増設し、画像処理ソフト NIH image 及び Adobe Photoshop 3.0Jを用いてVTRの静止画像から、EROI計算するよう自動化した。 3)各種血管作動物質として、基本薬としてのpropranolol(PPL)を中心に検討した。 ラット大腿静脈より、infusion pump を用いて、PPL 1mg/100g/minで5分間注入した。その時の門脈圧はラット5匹での検討では(16.7±3.6mmHg)から(12.5±2.8mmHg)に変化した。 その時の食道静脈瘤の変化は、EROIは(0.19±0.04)から(0.11±0.03)となり、その割合は減少した。 さらに、atenolol(選択的β_1遮断剤)、prazon(α遮断剤)を検討した。食道静脈瘤の変化は有意でなかった。 4)その他の各種血管作動物質として、nitroglycerinを含んだnon-selectiveのβ-blockerであるnipradilolに着目し、実験を行った。投与量は2mg/100g/minで5分間とした。ラット5匹の検討では、門脈圧は(14.9±4.3mmHg)から(11.5±3.6mmHg)と変化し、食道駆動静脈瘤は、EROIの変化として、(0.21±0.08)から(0.12±0.05)と変化を示した。 5)また最近注目されている、somatostatin analogで long-acting 作用のある octreotide に関して検討した。投与量は10μg/100g/minで5分間とした。ラット5匹の検討では、門脈圧の変化は(16.2±4.1mmHg)から(10.9±3.6mmHg)と低下し、食道静脈瘤のgradeであるEROIも(0.22±0.05)から(0.10±0.04)と有意に変化した。
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Research Products
(1 results)