1995 Fiscal Year Annual Research Report
うっ血性心不全における末梢抵抗血管αアドレナリン受容体亜型の研究
Project/Area Number |
07670822
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
立石 順 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60163490)
|
Keywords | α1-アドレナリン受容体 / α2-アドレナリン受容体 / うっ血性心不全 / 末梢抵抗血管 |
Research Abstract |
正常WKYラットを対象に、精巣挙筋の内径約100um、長さ約2mmの細動脈を実体顕微鏡にて無傷にかつ迅速に取り出し、この細動脈両端より外径約60umのガラスピペットを挿入固定し、Krebs液にて持続的に灌流される漕内に懸下し、倒立顕微鏡からCCDカメラを経てテレビモニター上の血管系を測定した。側枝等によるleakがなく、自発緊張を得て、正常のmyogenic responseを示す細動脈のみを対象に実験を行った。漕内に段階的に各濃度のα1-adrenoceptorの特異的な刺激薬(phenylephrine : 1nM〜30μM)をα2-adrenoceptorの特異的な遮断薬(rauwolscine : 0.1μM)と同時に、また、α2-adrenoceptorの特異的な刺激薬(UK-14,304 : 1nM〜30μM)をα1-adrenoceptorの特異的な遮断薬(prazosin : 10nM)と同時に投与し、細動脈径を測定することにより細動脈収縮におけるα1-とα2-adrenoceptorの濃度反応曲線を求めた。次いで、心筋梗塞作成約4〜6週後のうっ血性心不全WKYラットを対象に同様の実験を行い、うっ血性心不全時の細動脈収縮におけるα1-とα2-adrenoceptorの濃度反応曲線を求め、正常な対照と比較した。細動脈のphenylephrine(α1)による濃度反応曲線において、最大収縮はうっ血性心不全群で対照群に比し147±6%と増加しており、EC50も0.36±0.07μMから1.54±0.06μMへと増加していた。細動脈のUK-14,304(α2)による濃度反応曲線において、最大収縮はうっ血性心不全群で対照群に比し76±4%と減少しており、EC50も0.24±0.06μMから0.06±0.03μMへと低下していた。これらの結果より、うっ血性心不全時α1-adrenoceptorの数は増加しているが感受性は低下していること、α2-adrenoceptorの数は減少しているが感受性は亢進していることが示唆された。
|