1996 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンB_1反応性高乳酸血症の病因解析と治療法確立
Project/Area Number |
07670869
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内藤 悦雄 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30227706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 泰弘 徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
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Keywords | 先天性高乳酸血症 / ピルビン酸脱水素酵素複合体 / E_1a異常症 / ビタミンB_1 |
Research Abstract |
先天性高乳酸血症の自験例および酵素診断を依頼された他施設例の中で、ビタミンB_1大量投与により臨床症状の改善と血中および髄液中の乳酸値の低下をきたした13症例の培養細胞について、ピルビン酸脱水素酵素複合体(PDHC)活性の詳細な検討を行った。すなわち反応液中のTPP濃度を一般に用いられる高濃度から組織内の生理的濃度まで変化させてPDHC活性を測定した。そのTPP濃度とPDHC活性との曲線によりPDHCのTPPに対する親和性の低下、すなわちビタミンB_1反応性の有無を判定した。その結果13例中7例をビタミンB_1反応性PDHC異常症と診断しえた。ビタミンB_1反応性PDHC異常症例はビタミンB_1反応性高乳酸血症例の半数を占めており、本症の頻度が高いことが判明した。さらにそのうち3例の遺伝子解析を行い、3例ともE_1α遺伝子のアミノ酸置換を伴う点変異であった。すなわち2例はエクソン3の変異であり、1例は44番目のヒスチジンがアルギニンに、他の1例は88番目のグリシンがセリンにアミノ酸置換していた。3例目はエクソン8の263番目のアルギニンがグリシンに変異していた。これらの変異に対してはPCRと制限酵素を用いた遺伝子診断が可能であった。これらの方法により、2例は突然変異であり、また1例は母親由来の変異遺伝子によることが判明した。PDHCのTPPに対する親和性が正常であったビタミンB_1反応性高乳酸血症の6例では、PDHCと同様にTPPを補酵素とするαケトグルタール酸脱水素酵素複合体および分岐鎖ケト酸脱水素酵素複合体の異常である可能性があり、今後これらの検討が必要である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 内藤悦雄: "見逃されやすいビタミンB_1反応性ピルビン酸脱水素酵素複合体異常症の酵素診断に関する研究" 日本小児科学会雑誌. 99・5. 915-919 (1995)
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[Publications] 内藤悦雄: "ビタミンB_1反応性高乳酸血症12例におけるピルビン酸脱水素酵素複合体異常の検討" 日本小児科学会雑誌. 100・4. 732-736 (1996)
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[Publications] 黒田泰弘: "ビタミンB_1依存性高乳酸血症の治療" 日本小児臨床薬理学会雑誌. 9・1. 17-21 (1996)
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[Publications] N.Murakami: "Thiamine responsive congenital lactic acidemia and type 1 muscular fiber atrophy." Brain & Development,. 17. 78 (1995)
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[Publications] T.Matsuishi: "Elevated cerebrospinal fluid lactate/pyruvate ratio in Machado-Joseph disease." Acta Neurologica Scandinavica,. 93. 72-75 (1996)