1995 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛欠乏が成長ホルモンのIGF -1産生に及ぼす影響-ラット培養肝細胞での検討-
Project/Area Number |
07670888
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木崎 善郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00244616)
|
Keywords | 亜鉛欠乏 / 成長ホルモン / IGF-1 / 培養肝細胞 |
Research Abstract |
【方法】4週令Wistar系ラットを5日間同一条件下で飼育し、3グループに分け(Day0)、コントロール群(C群:標準食餌を自由摂取)、低栄養群(M群:標準食を亜鉛欠乏群の食餌摂取量に合わせて摂取)、亜鉛欠乏群(Z群:亜鉛欠乏食を自由摂取)とした。体重、体長を記録すると同時にDay0、7、14、21に尾静脈より採血し、ALP(酵素法)、IGF-1(抽出法RIA)、血清亜鉛(原子吸光度法)を測定した。【結果】(数値は平均±SD)〈体重&体長増加〉Z群での体重増加は極めて不良で、Day5の時点でC群:155.8±16.6、M群:141±9.6、Z群:105.8±4.2gと他の2群に比し有意に低値であった。体長もDay7でC群:17.8±0.68、M群:16.6±0.59、Z群:16.0±0.44cmと有意に低値となった。又、亜鉛欠乏群の食餌摂取量はコントロール群の約55%と低下していた。〈血清亜鉛濃度(μg/dl)〉Z群ではDay21に感度以下(C群:84±7.9)となり、M群でもDay0で102±16.2、Day14で57.8±6.7と徐々に低下傾向にあった。〈血清ALP活性(U/I)〉Day7、14の成長期においてZ群では576.7±51.5(C群:965.7±304、M群:911.1±218.5)、464.1±24.9(C群:1092.0±343.2M群:976.0±199.8)と有意に低値であった。〈血清IGF-1濃度(ng/dl)〉C群ではDay14に690.7±174.7とピークとなり、他の2群ではM群:336.0±116.8,Z群:209.3±125.8と共に低値であったが、Z群がM群よりも低い傾向にあった。また、成長期であるDay14において血清亜鉛濃度とIGF-1との間にr_2=0.463の正の相関を認めた。【考案】IGF-1は小児期の成長ホルモンを介しての成長発達に最も重要な役割を担っている。今回の検討で、成長期における亜鉛の重要性がIGF-1関連の成長について確認された。しかし、低栄養群においても血清亜鉛の低下があり亜鉛のみの影響を検討するには低蛋白、低栄養の影響を充分考慮する必要がある。今後初代肝細胞培養系を用い、より詳細な検討を進めていくつもりである。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 西村 康孝: "亜鉛欠乏が成長に及ぼす影響について 〜食餌性亜鉛欠乏ラットにおける検討〜" 日本小児科学会雑誌. 100. 501 (1996)
-
[Publications] 西村 康孝: "症候性肥満5例における成長ホルモン分泌能と成長ホルモン治療効果の検討" 第151回日本肥満学会記録. 180-181 (1995)
-
[Publications] 平井 清: "成長ホルモン分泌不全を伴ったGitelman症候群の兄弟例" ホルモンと臨床 '95秋季増刊号. 11-14 (1995)
-
[Publications] 木崎 善郎: "思春期肥満の2例" 肥満研究. 1. 41-43 (1995)