1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670911
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Research Institution | Toho University School of Medicine |
Principal Investigator |
松裏 裕行 東邦大学, 医学部, 講師 (80199752)
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Keywords | 心不全 / 心筋障害 / ラット / 細胞培養 |
Research Abstract |
本研究では"Anthr acycline系抗ガン剤の心毒性では心筋細胞壊死に先立って不顕性収縮障害を呈した後、臨床的に明らかな心筋障害が成立する"との仮説をたてて心筋障害の予防を最終目標とし、当面の研究目標を"ラット培養心筋細胞におけるin vitro心不全モデルの確立"とした。 ラット成獣心由来の単離心筋細胞の抽出、培養の具体的手順は(1)ラットをヘパリン化し、ネンブタールで麻酔して心臓を滅菌的に取り出す。(1)潅流装置に固定してHEPES buffer液、次にcollagenaseを含む液で心筋を潅流。(3)心室心筋を細切し、collagenaseとtrypsinを含む潅流液で処理後濾過する。(4)細胞浮遊液を遠心後、沈殿した細胞を再浮遊させ100mmデイッシュに分注し、培養する ラット心筋から採取した細胞は、その形状が桿状で紋様が見えること、採取直後の桿状な形態を持つ細胞が10日〜2週間程度で総てアメーバ状の偽足を有する細胞に移行し、かつ培養皿に付着したままであることからもviableであると判定した。 THP-Adoriacineの濃度と細胞障害性の関連を検討する予備実験として各種濃度のTHP-Adoriacineを培養液に混入し、その反応をみた。がん患者に通常の治療量を投与した際のAdoriamycineの血中濃度は5〜10ng/mLあるので、1,10、100、1000ng/mLに調整したAdoriamycineを培養液に混入し、24時間、48時間、72時間顕微鏡的に観察した。その結果24時間目では顕微鏡での観察上は目立った変化はなかったが、48時間目には全ての培養更に於いて一部の細胞が培養皿から遊離し、72時間目には1/3程度が底面から剥離・浮遊した。
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