1995 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン放射線による差分血管造影時の患者被曝線量計算用パッケージの開発
Project/Area Number |
07671032
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
山口 千里 福井工業大学, 工学部, 助教授 (20044779)
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Keywords | Monte Carlo法 / 差分血管造影 / 光子 / 吸収線量 / 被曝線量 |
Research Abstract |
まず、Monte Carlo法を応用するために、確率理論とサンプリング法について研究した。次に、物理過程のシミュレーション法、粒子の輸送を検討した。低エネルギー光子線と物質との相互作用としてCompton散乱と光電効果を考察した。Compton散乱dehaKlein-Nishinaの式に、インコヒーレント散乱を考慮して、散乱角と散乱光子と電子のエネルギーを決めた。反跳電子はその場で吸収される。光電効果では、全エネルギーがその場で吸収されるとした。また、コヒーレント散乱(Thomsonの式)も考慮した。 ヨウ素のK吸収端差分血管造影法では、光子エネルギーは約33keVであるが、将来、X線管球にも応用できるように、数百keVの光子までを調べた。特に、吸収端と特性X線を考慮した断面積の計算と関連データの収集を試みた。最初は均質媒体と単色γ線との相互作用を検討した。Buildup係数の計算にはSpencerのFanoのmoment法を利用することにした。水と筋肉に対する光子の減衰係数とエネルギー吸収係数は文献の表を用い、内挿をした。水に対しては両係数は1MeV以下では余り変わらない。 現在、Macintosh計算機を用い、C言語によるプログラムを作成中である。上記造影法では扇状のビームを上下に振って対象を走査するが、簡単のため、最初は平行ビームを仮定した。また、対象物として球及び円筒状のファントムを考えた。これが完成後にメニュー方式の画面の作成を行う予定である。また、より現実的なファントムの数学モデルについても検討する。
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