1995 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患の発症に関与するトリプレットリピートを有する遺伝子の単離
Project/Area Number |
07671084
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
池田 正明 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80232198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 和法 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20158497)
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Keywords | CAGリピート / クローニング / 精神疾患 / レアレンジメント / anticipation / PCR |
Research Abstract |
精神分裂症や躁鬱病には世代ごとに症状が重篤になるgenetic anticipationがみられ、この現象が、原因遺伝子のCAGなどの3塩基のリピート配列の伸長によって起こるHuntington's diseaseなどの神経疾患との類似性が指摘され、精神疾患も同様の発症機序によって発症することが示唆されている。精神疾患において3塩基の伸長などのゲノムのレアレンジメントの存在を検討するため、中枢神経系において発現するCAGなどの繰り返し配列を有する遺伝子の単離を試みた。ラット大脳皮質cDNAライブラリーのファージストックより調製したcDNA mixtureあるいはdouble strand cDNAにPCR用プライマー配列を有するアダプターをライゲーションしたものを鋳型として(CAG)_<10>あるいは(CTG)_<10>とファージDNA配列あるいはアダプター配列をプライマーに用いてPCRを行ない、得られたPCR産物をpCRIIにクローニングした。得られたクローンをオートシークエンサーを用いて塩基配列を決定した。(CAG)_<10>プライマーを用いたPCR産物をアガロース電気泳動を用いて解析した結果、多数のバンドが得られた。これらのPCR産物をpCRIIにライゲーションし、40個のクローンを得た。このうち12クローンの塩基配列を決定しBlastを用いて核酸および蛋白データベースのホモロジーサーチをしたところ、10クローンが未登録のcDNAであることが明かとなった。CAG-26はヒトelonginAのラットホモログであることが明らかになり、ラットelonginAのリピート配列領域は4個のセリンをコードしていた。更に塩基配列を決定したクローンに関してCAGリピート数の同定と完全長クローンを得るために、今回塩基配列を決定した領域のプライマーを合成し、PCR法によって隣接するクローンの単離を試み、塩基配列を決定した。CAG-32に関しては約2.2kbをカバーする、長さの異なる5個のクローンが得られ4個のCAGリピートを含むことが明かとなった。
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