1996 Fiscal Year Annual Research Report
ラット膵ラ氏島電位依存性カルシウムチャネル遺伝子発現とインスリン分泌反応
Project/Area Number |
07671098
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
岩島 保法 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30176549)
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Keywords | インスリン分泌 / 電位依存性カルシウムチャネル / OLETFラット / 膵ラ氏島 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
(実験1)正常Wister系雄性ラットにおける膵ラ氏島電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)遺伝子発現に関する検討:VDCCのβ2-サブユニットは、β3-サブユニットに比べて50〜100倍多く発現しており、β2-サブユニットがβ細胞型α1-サブユニットとともに、膵β細胞のL型VDCCを構成する主要なサブユニットである可能性が示唆された。しかしながら、β2-サブユニットのmRNA分子数はβ細胞型α1-サブユニットの分子数よりも数十倍多く、1対1の関係は認められなかった。このことは膵β細胞のL型VDCCは、1個のα1-サブユニットに対して複数個のβ2-サブユニットが対応するものなのか、あるいはβ2-サブユニットが複数のL型VDCCの構成要素となっているものなのか、現段階では不明である。また、β3-サブユニットのmRNA分子数も心臓型α1-サブユニットよりも多く認められる傾向にあった。(実験2)高濃度ブドウ糖注入ラット:体重300g前後の正常Wistar系雄性ラットを用いて、外頚静脈より50%ブドウ糖を48時間持続注入(2ml/h)し、対照として0.45%生食を注入したものを用いた。(1)膵ラ氏島遺伝子発現に関する検討:50%ブドウ糖(2ml/h)を48時間注入したラットにおいて、VDCCα1サブユニットおよびβ2-サブユニットmRNAレベルが約25%低下した。ジアゾキサイド(5mg/kg/h)と50%ブドウ糖(2ml/h)を48時間同時に注入してインスリンの過剰分泌を抑制したときα1ならびにβ-サブユニットmRNAの増加傾向が認められた。(2)膵灌流実験:高濃度ブドウ糖注入により低下していたブドウ糖刺激に対する相対的なインスリン分泌反応の低下が、ジアゾキサイドの同時注入により改善が認められた。(実験2)自然発症糖尿病ラット:肥満型自然発症糖尿病動物として大塚製薬より提供されたOLETFラットおよび対照としてLETOラット(当大学動物実験施設で飼育中)を用いた。(1)膵ラ氏島VDCC遺伝子発現に関する検討:Wistar系正常ラットと同様に、α1サブユニットに関してはβ細胞型が心臓型に比べて数倍多く発現した。βサブユニットに関しては、β2サブユニットがβ3サブユニットに比べて数十倍多く発現しており、膵ラ氏島β細胞のVDCCにおいてはβ細胞型α1サブユニットおよびβ2サブユニットがインスリン分泌において主要な役割を演じている可能性が示唆された。しかし、いずれのα1サブユニットに対してどのβサブユニットが対応しているかは、発現しているmRNAの分子数からは明らかではなかった。(2)膵灌流実験:糖尿病発症OLETFラットは16.7mMブドウ糖に対して、LETOラットに比べて有意なインスリン分泌反応の低下を示した。5mMブドウ糖+1μM Bay K8644に対しては逆にBasal levelおよび刺激後ともにインスリン分泌の過剰反応を示した。
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