1996 Fiscal Year Annual Research Report
移植臓器におけるb-FGF mRNAの発現の競合PCR法を用いた定量的検討
Project/Area Number |
07671319
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
閑 啓太郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10260796)
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Keywords | Basic fibroblast gwwth factor / competitive RT-PCR / Reinnewation / Lung / Peripheral newons system / Schwann cell |
Research Abstract |
研究結果:移植に伴う除神経の問題について検討するために、ラットを用いた除神経モデルを作成し、除神経肺における神経栄養因子(basic fibroblast growth factor ; bFGF)の発現を遺伝子レベルで確認した。実験モデルの作成の点から肺移植群の設定までには至らなかった。 研究の経過:1)除神経モデルの作成、ラットを気管内挿管麻酔下に開胸し、左肺門部で肺へはいる迷走神経を切断し、術後1, 3, 5, 7日目に対側肺門部をコントロールとして、処置側肺門部を取り出し、AGPC法でtotal RNAを抽出し、Super scr iptllを用いたcDNA合成を行った。2) mRAN発現量測定:bFGF primer forward primer : 5'-CCG GCA GCA TCA CTT CGC TTC-3', reverse primer : 5'-GAG TCA GCT CTT AGC AGA GAT-3', GAPDH (housekeeping gene) primer forward primer : 5'-CCA TCA CCA TCT TCC AGG AG-3', reverse grimer : 5'-TGT CAT ACC AGG AAA TGA GCT T-3'に設定した。前述のGAPDH primerはmouse, rat, humanに共通の部位を認識するprimerwである。PCR productの定量:Perkin-Elmer社のPCR装置(今回研究費用で平静7年購入)で、bFGFは35cycleで460bpと355bp、GAPDHは22cycleで729bpと381bpのバンドを生成した。bFGFの検出にはAmplitag GoldによるHot Start法によるPCR、GAPDHにはStoffel Tagを用いてPCRを行った。結果:神経切断側では術後5日目をピークとしてbFGFmRNAが誘導されていた。これに比して未処置側では、どの時期でもbFGFmRNAは検出限界以下であった。3)発現強度の定量的解析:mon-Rlで実験するため画像解析に浜松ホトニクスARGUS50/2Dルミノメータ/BL(現有改良)を使用した。4) bFGF免疫組織染色:Mab78 (anti bFGF antibody : Wako)による免疫染色(DAB発色)により、神経切断を行った左肺において迷走神経の臓器側末梢側のSchwann細胞の増殖とそれに一致したbFGF染色陽性、S-100染色陽性を確認した。これにより、bFGFmRNAの産生細胞は切断神経末梢側のSchwann細胞であることが確認された。
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