1996 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の複数の染色体欠失の予後因子としての検討と新しい欠失の判定法の開発
Project/Area Number |
07671366
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Research Institution | Tokyo University |
Principal Investigator |
正木 忠彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30238894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 悟正 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70272557)
富永 治 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10261976)
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Keywords | 大腸癌 / 染色体欠失(LOH) / 癌抑制遺伝子 / DCC / PCR / 第18番染色体長腕(18q) |
Research Abstract |
第18番染色体長腕(18q)の染色体の欠失(LOH)を調べ、大腸癌の再発や予後との相関を検討した。 (材料および方法) 術後、3年以上経過している大腸癌手術症例80例を用いた(DukesA 10例、B 23例、C 47例)。18qに存在する癌抑制遺伝子であるDCC内のマイクロサテライト(MS)の多型性を利用し、LOHを調べた。 (結果) 遠隔転移による死亡は、DCCのLOHが見られないものでは3/15(20%),LOHの見られるものでは13/31(42%)であった。治癒切除例で、遠隔転移再発(肝転移再発)は、DCCのLOHが見られないものでは2/13(15%),見られるものでは6/18(33%)であった。単変量解析では有意差がでなかったが、有意に生存に関与していたDukes分類と(p=0.019),組織型(p=0.002)を考慮に入れた多変量解析を行ったところ、DCCのLOHのある症例は、術後生存期間が短いという傾向がでた(p=0.056)。 (結論) DCC遺伝子の存在するの18qのLOHの見られる大腸癌は、生存期間が短い。また、有意差は見られなかったもの18qのLOHある大腸癌は、肝転移再発が高く、再発の指標になる可能性が示唆された。現在、症例を増やして検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 石丸悟正: "PCR-SSCP法" Surgery Frontier. 3(1). 81-83 (1996)
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[Publications] Gosei Ishimaru et al.: "New Strategies for Treatment of Hereditary Colorectal Cancer" Churchill Livingstone,Tokyo, 10 (1996)
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[Publications] 石丸悟正 他: "大腸癌-診断と治療,大腸癌の転移と遺伝子変化" 日本メディカルセンター, 7 (1996)