1996 Fiscal Year Annual Research Report
急性膵炎発症後の膵外分泌機能に与える各種薬剤の影響に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07671425
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
杉山 政則 杏林大学, 医学部, 講師 (20192825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正暢 杏林大学, 医学部, 講師 (00276198)
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Keywords | 急性膵炎 / 膵外分泌機能 / セルレイン / セクレチン |
Research Abstract |
動物モデルおよび臨床例において、急性膵炎時の膵外分泌抑制が示されている。膵外分泌障害の改善が急性膵炎の治療に結びつく可能性が考えられる。急性膵炎発症後の膵外分泌機能に与えるセクレチンの影響を検討する目的で、ラット意識下膵液採取実験モデルを用いて、セルレイン膵炎発症前と発症後の膵外分泌を比較し、さらにセルレイン膵炎発症後にセクレチンを投与し膵外分泌を観察した。 Wistar系雄性ラットを全身麻酔下に開腹し総胆管結紮、胆管十二指腸吻合ののち、膵管外瘻、胃瘻を置き、膵液採取モデルを作成した。手術4日後に絶食下にセルレイン10mg/kg/hを4時間静脈内投与し、急性膵炎を惹起した。その後、生理食塩水(対照群)またはセクレチン5CU/kg/時を8時間持続静脈内投与した。手術3日後と5日後に意識下に膵外分泌機能試験を行った。基礎時とCCK-8(0.03〜0.12mg/kg/h)刺激時の膵液を分画採取し、各分画の膵液の液量、重炭酸塩・蛋白濃度を測定した。手術5日後に犠牲解剖し膵組織像を観察した。 セクレチン投与群の膵組織は、対照群と比べ膵腺房細胞空胞化や間質浮腫の程度は軽かった。対照群ではセルレイン膵炎発症後の膵外分泌は、発症前と比べ基礎時とCCK-8刺激時の膵液量、重炭酸塩・蛋白排出量とも著明に低下した。セクレチン投与群では膵炎発症後の膵外分泌は対照群と比べ改善し、膵液量、重炭酸塩排出量は膵炎発症前の値までは回復たが、蛋白排出量は完全には回復しなかった。 ラット・セルレイン膵炎モデルにおいて、セクレチン投与により膵組織像と膵外分泌機能の改善が認められた。
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