1996 Fiscal Year Annual Research Report
肺切除術後急性期肺障害発生機序における低酸素曝露の関与、及び治療に関する研究
Project/Area Number |
07671448
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 貞文 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80250827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
谷田 達男 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20217144)
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Keywords | 低酸素 / 摘出灌流肺 / 肺血管透過性 / 好中球 / 接着因子 / 肺胞水分クリアランス |
Research Abstract |
SDラットを麻酔下に開胸し、肺動脈、左心室にカ-ニュレーションし、摘出定圧灌流肺を作製した。灌流液として4%アルブミン加Krens-Henselete液を用い、換気ガス酸素濃度を20%(Normoxia)とし肺血管透過性(濾過係数;K)を計測した。次いで換気ガス酸素濃度を0%(Hypoxia)とした時、あるいは、ヒト全血より遠心分離した好中球(PMN)を灌流液中に投与した時のK値の変化を測定した。K値は、NormoxiaやHypoxia単独、あるいはNormoxia+PMN群に比し、Hypoxia+PMN群では有意に増大し、低酸素曝露による肺障害モデルを摘出灌流肺で作製することに成功した。また、Hypoxia+PMN群では、肺組織のMyeloperoxidase (MPO)値がNormoxia+PMN群に比し増大しており、PMNの肺血管内への集積が確認された。さらに、Hypoxia下のPMNでは接着因子(Mac-1)の発現増強があり、抗Mac-1抗体がK値上昇を抑制したことから、本モデルの肺障害の成因に肺血管内皮と好中球との相互作用が重要な役割を果たしていることが示された。 一方、低酸素曝露したラットから摘出した肺では、肺胞水分クリアランスが室内空気下に飼育したラットに比し低下していることが判明し、低酸素曝露による肺障害、肺水腫の一因に、肺胞からの水分のクリアランス低下が関与していること、クリアランス増大による肺水腫の治療の可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 星川 康、他。: "低酸素性肺高血圧症への酸化的ストレスの関与。" 日胸疾会誌。. 33. 1168-1173 (1995)
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[Publications] 植田信策。: "低酸素曝露による肺障害発症機序への好中球接着因子の関与。" 加齢研誌。. 47. 107-117 (1996)
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[Publications] 鈴木 聡、他。: "低酸素曝露が肺胞上皮のイオントランスポートに及ぼす影響。" 日胸疾会誌。. 34. 52-56 (1996)
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[Publications] S. ONO, et al: "Relaxation of human isolated pulmonary arteries by amrinone." J. Cardiovasc. Surg.37. 177-181 (1996)