1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671471
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
名和 清人 岡山大学, 医学部, 助教授 (30127576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
為季 清和 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
青江 基 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80260660)
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Keywords | 人工肺 / 体内植え込み式 / 完全置換 / 肺動脈絞扼 |
Research Abstract |
平成7年度において、肺動脈絞扼の手術手技は各々の研究員で体得された。右室トレーニング犬の急性期生存を得たため清潔実験に移行し5例の生存犬を得た。しかし,飼育中に1例の死亡があった。約1ヶ月飼育後に圧測定を2例において施行したが、右室圧の上昇が不十分と判断されたため、引き続き飼育中である。 一方、当初は体外循環下の人工肺完全植え込みを計画していたが、経費削減と手技の簡便化のため以下の手技に変更した。すなわち、左開胸にてdebandingと左肺全摘術を施行する。次いで、左主肺動脈および左心耳とに各々EPTFE人工血管(内径8mm)を吻合する。還流回路にて充填・除泡した人工肺とこれらの人工血管とを挿入法により結合して人工肺潅流回路を設立する。右主肺動脈を徐々に絞めて経人工肺的肺循環に移行させ、最終的には右主肺動脈は結紮遮断する。このため、人工肺を再利用してこれらの手技に付いてトレーニング中である。 最大の問題は、右室・左室圧比0.8を目標とした絞扼術では急性期生存犬を得ることができなかったことである。完全大血管転位症I型の左室トレーニング法に準じて右室のトレーニングを試みた方法であるが、全く正常な圧の右室に対し、圧比0.8は厳し過ぎ、急性右心不全をきたした可能性が最も考えられた。従って、その圧比を0.5程度に減弱させる必要が生じた。その結果として生存犬が得られるに至ったが、一定期間飼育後の発育による右室圧の上昇とそれにともなうトレーニング効果の評価を待たなければならない。また、飼育後に評価できた例では、その効果が未だ不十分であった。更に飼育する必要があり、また他の実験犬の評価を続いて行い、生存犬の数も増加させる必要があると思われる。対象が幼犬のため、成長に伴い相対的に絞扼程度も増強され右室トレーニングは必ず得られると考えており、今後の評価を待っているところである。
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