1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
久保田 勝 帝京大学, 医学部, 講師 (30246061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 考而 帝京大学, 医学部, 講師 (90237602)
金光 秀晃 帝京大学, 医学部, 講師 (10129992)
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Keywords | 局所脳虚血 / セレブロシド / セラミド / ガングリオシド |
Research Abstract |
前年度、ラット中大脳動脈閉塞モデルの大脳皮質において6時間以降に増加したセラミドの由来についてスフィンゴミエリンの水解が考えられたが他のスフィンゴリピドのセレブロシド、ガングリオシドについて検討した。田村のラット中大脳動脈閉塞モデルを作製した0.5、1、2、6、12、24、48、96時間にマイクロウエーブで処理後、Folch法で総脂質を抽出した。セレブロシドの定量は総脂質をフロリジルカラムでクロロホルム-メタノール(2:1、v/v)で溶出しリン脂質を除去した。さらにセレブロシドの分離にはクロロホルム-メタノール-水(64:25:4、v/v/v)で薄層クロマトグラフィー(TLC)を行い、セレブロシド部分をかきとり、5%塩酸メタノールで脂肪酸メチルエステルを作りC21:0を内部標準にしてGLCで定量した。セレブロシド量はcontrolで5.73±0.76mmol/kgで直鎖酸をもつセレブロシド(GalCER-NFA)は1.45±0.18mmol/kgでネルボン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸が主な脂肪酸組成で6時間(1.11±0.11mmol/kg)と96時間(1.29±0.33mmol/kg)で統計学的に有意に減少した。オキシ酸をもつセレブロシド(GalCER-HFA)はcontrolで4.28±0.85mmol/kg、セレブロン酸、ヒドロキシネルボン酸が主な成分で閉塞6時間(3.25±0.34mmol/kg)より有意に減少した。前年度報告した6時間以降のセラミドの増加はスフィンゴミエリンの以外に膜の崩壊に伴いセレブロシドが水解されたと考えられたが、増加したセラミドの脂肪酸組成はステアリン酸が主成分であり、セレブロシドの崩壊よりむしろ虚血6時間の間にセレブロシドの生合成が阻害された可能性が高い。ガングリオシドのはFolch分配の水層を凍結乾燥後、HPTLC(high performancethin layer chromatography)でシアル酸を比色定量したが有意な増減は認められなかった。
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