1995 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎側弯症の矯正術における種々の脊椎解離術の解離効果の術中計測
Project/Area Number |
07671564
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
阿部 栄二 秋田大学, 医学部, 助教授 (50108924)
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Keywords | 脊椎側弯症 / 不安定性 / 硬直 / 術中測定 / 後方解離術 |
Research Abstract |
平成7年度の研究予定は側彎症での測定を除けばほぼ完了した.測定装置の製作し,実際の脊椎手術で調整は,2-3の改良を要したがうまくいった.側彎症でも測定できる事が確認できた.当初,試作した測定装置の調整は学生実習用献体を用いて行う予定であったが,解離を行う軟部組織の力学的特性は変質して生体とはかなり異なるものであったことや,測定装置の製作に手間取り,学生の解剖実習の期間に間に合わなかった事などから中止し,実際の手術で直接調整を行った.側彎症以外の脊椎疾患8例(脊椎腫瘍1例,腰椎変性辷り症2例,分離辷り症2例,椎間板ヘルニア1例,腰部脊柱管峡窄症2例)でT12/L1,L1/2,L2/3,L3/4,L4/5の椎間で測定した. これらの脊椎疾患では単椎間で測定し,Ebara(1992)の報告を比較検討してみた.我々の結果はEbara(1992)の結果とは異なり,F.Denis(1983)のThree columns theoryを支持するものであった.すなわちthree columnのうちone columnである後方要素(棘上靱帯,棘間靱帯,黄色靱帯,椎間関節)がすべて損傷されても,脊椎の安定性は保たれることが今回の実験で明かとなった.今回の結果は単椎間で腰椎部の測定であったことや実際の側彎症での測定ではないことから,側彎症の解離効果の推測にそのまま応用できるものではないが非常に興味ある結果である。 実際の側彎症の手術が無かったため,側彎症での測定はまだ行っていない.
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