1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671596
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
柏口 新二 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30224398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 芳嗣 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20243694)
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 講師 (30243687)
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
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Keywords | 成長軟骨板 / 移植 / 関節軟骨 |
Research Abstract |
4週齢ラットの脛骨近位成長軟骨板と腸骨の骨端軟骨を膝蓋大腿関節面に作成した軟骨下骨にいたる欠損部に移植し、修復および周囲との連合状態を観察した。脛骨近位成長軟骨板は成長軟骨板と末梢の骨幹端骨片を一塊として移植したところ、術後12週で色調、硬度とも肉眼的に鑑別が困難なまでに修復し、組織学的にも24週では周囲関節軟骨類似の形態を示した。一方、腸骨の骨端軟骨はそれのみを移植したところ、生着は良好なものの、移植部の膨隆及び膝蓋大腿関節面の変形をきたし、関節適合性の破綻をきたした。組織学的にも移植片深層からの内軟骨性骨化に伴い、表層に軟骨細胞は認められるものの、周囲関節軟骨面よりの膨隆がみられた。この2種類の移植法の結果の相違については、後者の軟骨は前者のそれに比較し約2倍の厚みがあり、かつ静止細胞層が全体の1/2以上を占めるという細胞形態の相違のために修復の様相が変化したものと考えられた。 上記の結果を踏まえ、腸骨骨端軟骨半層(増殖細胞層以下の下層)の自家移植を実施したところ、膨隆もなく、肉眼的にも組織学的にも術後24週まで良好な軟骨の修復をみた。今年度の実験により、幼若関節軟骨欠損に対し脛骨近位成長軟骨板あるいは腸骨骨端軟骨半層の自家移植が良好な軟骨修復をもたらすことが確認された。次年度以降の課題として、成長障害を回避するため成長軟骨の摘出はどの程度までの大きさが許容されるのか、また修復軟骨の力学的強度はどの程度であるのか等の問題点が残されている。
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