1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラットハロタン肝炎モデルに対する亜鉛の保護作用の解明
Project/Area Number |
07671663
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 徹 岡山大学, 医学部, 助手 (40252952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 方久 岡山大学, 医学部, 教授 (70033058)
山田 輝夫 岡山大学, 医学部, 助手 (00033225)
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Keywords | ハロタン / 肝障害 / 亜鉛 / チトクローム P450 / アミノピリン脱メチル化活性 |
Research Abstract |
【研究の背景および目的】雄性ラットにフェノバルビタールを投与し、肝ミクロゾームに薬物代謝酵素チトクロームP450(P450)を誘導した後、低酸素下に麻酔薬ハロタンを吸入させると肝障害が発生する(ラットハロタン肝炎モデル)。このとき、P450量の減少とP450のアミノピリン脱メチル化(AD)活性の低下が認められることから、ハロタン肝障害にはハロタンとAD活性を有するP450の相互反応が重要な役割を果たしていると考えられる。 一方、亜鉛は生体にとって必須微量元素であるのみならずミクロゾーム等の生体膜に対する安定化作用やミクロゾームの酵素活性に対する保存作用を有している。 以上より、われわれはラットハロタン肝炎モデルに対しハロタン吸入24時間前に亜鉛を投与し、その結果亜鉛投与は肝障害を軽減させることを明らかにした。本研究では、この亜鉛のハロタン肝障害に対する保護作用機序を明らかにすることを目的に、亜鉛が低酸素下ハロタン吸入にともなうP450量の低下・AD活性の減少に及ぼす影響を検討した。 【方法】ラットにフェノバルビタールを投与後、亜鉛投与(10mg/kg)群と生食投与群に分け、24時間後に低酸素下(14%)に2時間ハロタン(1%)を吸入せしめ、吸入直前・直後のP450含量とAD活性を測定した。 【結果】吸入直後のP450量およびAD活性は、吸入直前に比べてそれぞれ有意に減少・低下した。しかし、AD活性は亜鉛投与群では生食投与群に比べてその低下が有意に抑制された。 【考察および結論】亜鉛は肝ミクロゾーム膜の安定化作用あるいは膜酵素活性の保存作用を介して、低酸素下ハロタン投与においてP450のAD活性を保護する役割を果たしたのかもしれない。さらに亜鉛は、低酸素下におけるハロタンとP450の相互反応を低下させることにより、P450のAD活性を保護し、その結果肝障害予防作用を示した可能性が考えられた。
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