1995 Fiscal Year Annual Research Report
術中輸液剤としての高張食塩水の安全性および有効性の研究
Project/Area Number |
07671684
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
加藤 清司 北里大学, 医学部, 助教授 (30152713)
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Keywords | 婦人科手術 / 高張食塩水 / 術中輸液 / ナトリウム |
Research Abstract |
28才〜80才(平均53.2才)の婦人科領域の開腹手術を3群に分け、乳酸加リンゲル液10ml/kg(LR群)、3%高張食塩水2.5ml/kg(HS群)および3%食塩水・6%HES(ヘスパンダー^<(R)>)混合液4.2ml/kg(HS+HES群)をそれぞれ30分かけて投与した。その後、L_<2/3>間より挿入した硬膜外カテーテルから1〜2%メピバカインを6〜14ml(平均11ml)硬膜外に注入し、注入前後の循環動態および電解質を検討した。LR群の硬膜外前の収縮期血圧は平均127mmHgで、メピバカイン投与15分後には102mmHgと低下した。脈拍も77回/分から70回/分と低下した。血圧低下により、エフェドリンを使用した症例が14%あった。血圧および脈拍の変動とエフェドリンの使用については、HS群とHS+HES群においても、LR群と差がなかった。LR群の硬膜外前のナトリウムは平均140mEq/Lであり、メピバカイン投与15分後には138mEq/Lとわずかに低下した。HS群およびHS+HES群のナトリウムは、メピバカイン投与15分後にそれぞれ146mEq/L、145mEq/Lと有意に上昇した。本研究で投与されたナトリウム量は、3群とも1.3mEq/kgである。ナトリウム投与量を等しくすると、高張食塩水や高張食塩水と代用血漿剤の混合液は、乳酸加リンゲル液と比較してわずかな輸液量で、同等の循環動態をもたらした。またこの程度の高張食塩水の輸液量では、血清ナトリウムは正常範囲内であり、安全であると考えられた。
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Research Products
(1 results)