1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671823
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
古堅 善亮 順天堂大学, 医学部, 講師 (20199433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 昌典 順天堂大学, 医学部, 助手
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Keywords | 子宮頚癌 / CD44 |
Research Abstract |
CD44の発現と、子宮頚癌のリンパ節転移との関係を、免疫組織学的に検討した。CD44v3、v6と、すべてのCD44の共通部分なCD44 heamapoietic (H)のモノクローナル抗体を使用してABC法で検討した。まず、正常組織ではCD44v3、v6、Hとも傍基底層の細胞膜に発現していた。しかし、正常頚管腺には発現が認められなかった。異形成においては、CD44v3、v6、Hとも、より上層まで発現していた。異形成の程度が高くなるほど、染色される範囲も程度も高度となる傾向があった。しかし、上皮内癌、微小浸潤癌になると、症例により、染色の程度が様々で、染色の部位にもむらがあった。浸潤癌となると陽性例と陰性例とに別れ、明らかな相違が認められた。また、CD44v3、v6の染色部位が異なることもしばしば認められ、異なるアイソフォームが存在していることが考えられた。リンパ節転移例においては、CD44v6はリンパ節転移例で陽性率が高かった。また、転移リンパ節においても、転移した腫瘍細胞が強く発現していた例が多かった。一方CD44v3は発現率とリンパ節転移との関係は明らかではなかった。転移リンポ節での発現も腫瘍細胞での発現は明らかではなく、リンパ球に発現していることもあった。CD44Hは発現率は最も高かったが、やはり、リンパ節転移との関係は明らかではなかった。以上より、CD44v6とリンパ節転移との関係が示唆された。その他、v4/5、v8/9の発現についても検討したが、リンパ節転移との関係は明らかではなかった。 mRNAのレベルでも同様な結果を現在確認中である。また今後、転移部位と原発巣でのCD44の発現の比較を行う予定である。
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