1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671875
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
立本 圭吾 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90188277)
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Keywords | EP / 血管条辺縁細胞 / Na-K-Cl共輸送 / Clチャンネル |
Research Abstract |
平成7年度の研究実績: 音刺激におけるtransducerとしての内耳の役割をより詳細に検討する目的で内リンパ腔の電解質輸送に着目した。従来、血管条にはNa-Kチャンネルが存在し、EP(endocochleal potential)の発生の役を担っているが、内リンパ腔のClイオンについては不明な点が多い。そこでモルモット蝸牛の血管条辺縁細胞のNa-K-Clイオン動態を知るための前提として、Clイオン共輸送に介在するClチャンネルの存在をPatch-clump法を用いて検討した。 方法:モルモットをネンブタール麻酔下に断頭し速やかに蝸牛骨包を摘出し、実体顕微鏡下に血管条を分離し、血管条上皮の組織培養を行った。培養細胞を人工外リンパ液中に浮遊させた状態で、辺縁細胞のPatch-clumpによるWhole cell recordingを行った。 結果:辺縁細胞にはCl透過に関与する膜電位が存在することが判明した。 しかしClイオンの輸送がNa-Kチャンネルを介した共輸送なのか、単独のClチャンネルを介する能動輸送なのかは現在不明であり、さらにNa-K pumpを制御した状態でのWhole cell recordingが必要と考えられた。 今後の課題:Clチャンネルの存在を実証し、Clチャンネルmoderateする細胞興奮をCaイオンの動態により観察することが重要であると推察された。
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