1997 Fiscal Year Annual Research Report
化学感覚受容機構の障害に関する臨床的ならびに実験的研究
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07671877
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
愛場 庸雅 大阪市立大学, 医学部, 講師 (10192840)
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Keywords | 嗅覚 / 味覚 / 自然寛解 / 予後 / 錯誤 / MRI / 嗅覚検査法 / 漢方薬 |
Research Abstract |
(1)嗅覚味覚障害患者に関する疫学的調査 (1)嗅上皮性あるいは嗅神経性嗅覚障害の自然寛解は、感冒で約30%、頭部外傷で約10%であった。自然寛解例は治療に対する反応も早く、頭部外傷例ではとくに改善率が良かった。 (2)嗅覚障害の予後にかかわる因子を、病態別に検討した。頭部外傷群では若年者、罹病期間が短い症例、異常嗅感の有る症例が予後良好であった。鼻炎群では、改善までの期間が比較的短く、感冒群、頭部外傷群では改善までの期間が長くなる傾向があった。 (3)味覚錯誤は約60%の症例に見られ、味覚の閾値が高いほうが錯誤を起こしやすいこと、塩味、酸味刺激が間違われ易いことが判明した。しかし特定の病態と錯誤との関連性は明らかではなかった。 (2)嗅覚味覚機能検査法に関する研究 (1)先天性嗅覚障害の診断確定に際し、MRI画像検査が、嗅溝・嗅索・嗅球などの形態異常の有無の確認に有用であることがわかった。 (2)嗅覚障害患者の自覚的な重症度の変化と、嗅覚検査の結果との相関を調べた。自覚的変化と検査結果の変動が一致する率は約60%で、とくに軽症の場合に一致率が下がる傾向があった。検査項目のうち最も一致率が高いのは基準嗅力検査の認知閾値であった。 (3)嗅覚味覚障害の治療法に関する研究 味覚障害特に自発性異常味覚や、舌痛症、口腔乾燥症などについて漢方薬治療を試みた。有効率は20〜50%程度であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsunemasa Aiba: "Prognosis of olfactory disorder." Chemical Senses. 22・6. 637 (1997)
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[Publications] 奥田 文幸: "嗅覚障害の予後にかかわる因子についてー原因・病態別の検討ー" 日本鼻科学会誌. 36・3. 129 (1997)
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[Publications] 松本 孝司: "先天性嗅覚障害のMRI所見" 日本鼻科学会誌. 36・3. 130 (1997)
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[Publications] 富山 健太: "神経性嗅覚障害の自然寛解について" 日本味と匂学会誌. 4・3. 343-346 (1997)
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[Publications] 愛場 庸雅: "味覚障害、口腔異常感に対する漢方薬治療" 日本味と匂学会誌. 4・3. 347-350 (1997)
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[Publications] 愛場 庸雅: "嗅覚障害程度の自覚的変化と検査結果の変動の関係" 日本耳鼻咽喉科学会誌. 101・4(予定). (1998)