1995 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎に伴う白内障発生頻度および治療方法選択の包括的検討.
Project/Area Number |
07671919
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 節 神戸大学, 医学部, 教授 (40182654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 善文 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20226666)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / アトピー性白内障 / アトピー性網膜剥離 / 眼内レンズ |
Research Abstract |
まず、兵庫県下で眼科手術を行なっている病院55施設を対象に、アトピー性白内障診療の実態調査をアンケート形式で行なった。55施設中36施設から回答を得、回収率は65%であった。皮膚科が併設されているかどうかで施設毎に同じ都市部でも症例経験数はばらつきがみられたが、概して都市部の眼科でアトピー性白内障の診療経験が多く、郡部では少ない傾向があった。また、アトピー性皮膚炎・白内障がわが国に特異的に多いことについては、まだ眼科医師全体の認識が浅いこともわかった。さらに、当教室を含むアトピーの眼合併症に関心を示し積極的に診療経験を蓄積しつつ解析している数施設を除いては、各施設ともにアトピー性白内障進行例に対する手術療法の際の術式選択や、術後の視力矯正方法にかなりのばらつきが見られた。今後さらに増加すると考えられる眼合併症症例について、眼科としてもさらなる啓蒙が必要であると痛感した。 一方で、当教室において、過去3年間でのアトピー性白内障の手術症害について、その術式と術後視機能矯正方法、他の合併症である網膜剥離、角結膜症例などをレトロスペクティブに解析した。その結果、平成4年度より、白内障手術症例は増加の一途をたどっているが、当初の平成4年は手術方法として水晶体嚢外摘出術が主であったものの、5年から水晶体乳化吸引術もしくは水晶体吸引術を主体とし、視機能矯正のために眼内レンズを同時に挿入する術式に変遷していることがわかった。白内障術後に網膜剥離を合併する症例も見られたが、白内障手術そのものが網膜剥離を続発したと考えられるものは少なかった。次年度はさらに、前嚢切開の方法、術式の違いによる長期予後などの解析が必要となると考えられた。
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