1996 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎に伴う白内障発生頻度および治療方法選択の包括的検討
Project/Area Number |
07671919
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 節 神戸大学, 医学部, 教授 (40182654)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 善文 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20226666)
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 / アトピー性白内障 / アトピー性網膜剥離 / 眼内レンズ / CCC |
Research Abstract |
まず、前年度の兵庫県下でのアトピー声白内障診療の実態調査をもとに、近隣の府県および特にアトピー性白内障等の治療実績の多い施設とのデータの比較検討を行った。手術術式やその視力予後については大差はないが、やはり術式の画一化などはされておらず、術後の視機能矯正の方法もまちまちな傾向があった。ただし兵庫県下・全国レベルを含めて、各種眼科関連学会でもわれわれを中心として何回かのシンポジウムなどを行っている成果として、かなりアトピー性白内障ならびに他の眼合併症について周知がなされてきつつあることも明らかとなった。 一方で、当教室および神戸労災病院眼科において、平成7年1年間でのアトピー性白内障の手術症例22例について、その術式と術後視機能矯正方法、他の合併症である網膜剥離、角結膜障害などをレトロスペクティブに再解析した。その結果、術式は水晶体乳化吸引術もしくは水晶体吸引術を主体とし、視機能矯正のためにコンタクトレンズもしくは眼内レンズを挿入する術式が主で、コンタクトレンズ装用のコンプライアンスは15眼中9眼で不能か困難もしくは角膜炎を併発しており、より積極的に眼内レンズ挿入を行なう方法をとる方が視機能予後によいと考えられるが、なお術後合併症等、種々の解決すべき問題をかかえていることもわかった。術中術後合併症として網膜剥離が7眼に見られ、後発白内障が5眼であったが、さらに長期にわたる経過観察が必要であろう。全体的に前年度に比べ術後合併症も増加の傾向を示した。前嚢切開の方法についても考案をし、眼内レンズ挿入時にはCCC法がよいと考えているが次年度に再検討を行ないたい。
|