1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671980
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 方信 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (10048358)
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Keywords | 舌癌 / 組織発生 / アポトーシス / アポトーシス関連遺伝子産物 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1.組織標本作製と組織学的検討 これまでに収集したヒト剖検症例の舌と舌癌を通常の方法でパラフィン切片(4μm)として組織学的および免疫組織化学的に検索した。剖検症例の舌では異常な組織変化(過角化症、異形成上皮など)が舌側部に好発し、特に40歳以上の症例で目立っていた。 2.アポトーシス(AC)とAC関連遺伝子産物発現の検索 組織学的に検出された組織変化部とこれと比較するための舌癌についてアポトーシス(AC)を検索する一方で、AC関連遺伝子産物の発現を追求した。In situ nick end labelling法と免疫組織化学的な方法(抗Le^y抗体使用)によりACを検索した。剖検材料では標本の採取までの時間が一定でないこともあり、染色性については症例によりばらつきがみられた。現在、死後時間ができるだけ短い症例の収集に努めている。 p53陽性細胞は粘膜上皮のsuprabasalに局在し、過角化症、上皮異形成、扁平上皮癌の順序で高くなり、bcl-2は過角化症では見られず異形成上皮ではやや多くなっていた。特にp53の発現についてはマイクロウェーブによる賦活の必要な症例と不要な症例が見られ、染色性については症例間で種々であったことからこの点の解析ないし検討が必要であった。最近の報告ではp53陽性細胞数よりも染色の強さが増殖との関連からは重要であるとの報告があり、今後は染色性を強弱二種に分けて検討して行く。また、bcl-2発現の陽性例ではACの出現が減少していた。今後、これらの発現について追求する一方で得られた成果を組織病変間で比較して相互の関連性の解明を行い、舌癌の組織発生に近接する。
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