1996 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンキナーゼとホスファターゼによる硬組織石灰化の調節機構に関する研究
Project/Area Number |
07672006
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 邦明 北海道大学, 歯学部, 助教授 (40133748)
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Keywords | チロシンキナーゼ / チロシンホスファターゼ / MC3T3-E1細胞 / 硬組織石灰化 / PTP1B / PTP1D / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
骨芽細胞様細胞株であるMC3T3-E1細胞は、コンフルエンス後石灰化基質を分泌し、石灰化部位形成時期にかけて蛋白質チロシンホスファターゼ(PTP)活性、蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)活性、分子量263,224,29.5,28.2kDaの蛋白質のリン酸化チロシンレベルが上昇した。PTK, PTPは、細胞の増殖、分化に重要な役割を果たしているとされており、その中の石灰化過程におけるPTPの役割を調べるため、MC3T3-E1細胞のPTPの精製を試み、性質を調べた。MC3T3-E1細胞の細胞質画分から3種類のPTPを部分精製した。そのうち2種類はイムノブロッティング法により抗PTP1B, PTP1D抗体と反応し、PTP1B, PTP1Dと判明した。これらPTP1B, PTP1Dは細胞が増殖、分化し、基質を分泌し石灰化する過程で発現量が増加し、またオリゴマーとして存在していることが推測された。市販の抗体と反応しなかった他の1種類のPTPの精製を試み、カラムクロマトグラフィーにより全細胞ホモジネートに比較して、4779.1倍精製した標品を得た。この標品の分子量はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により33あるいは39kDaであり、またゲル濾過による見かけの分子量は933kDaであった。PTP活性の至適pHはpH6付近であった。活性は一般的なPTPの阻害剤であるバナジン酸、モリブデン酸、亜鉛によって阻害され、セリン/スレオニンホスファクターゼの阻害剤であるオカダ酸によっては阻害されなかった。また、マグネシウムによって活性が増強され、EDTAによって、活性が阻害された。以上の結果からPTPが石灰化過程においてMC3T3-E1細胞の細胞増殖、基質合成に深く関わっている可能性と、MC3T3-E1細胞が新種のPTPを有している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kuniaki Suzuki: "Phosphotyrosine protein phosphatase-like activity of a clonal osteoblastic cell line (MC3T3-E1 cell)" Archives of Oral Biology. 40. 825-830 (1995)
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[Publications] 岡本亨: "骨芽細胞様細胞株(MC3T3-E1細胞)のタンパク質チロシンホスファターゼの精製と性質" 北海道歯学雑誌. 18(印刷中). (1997)