1995 Fiscal Year Annual Research Report
メルコックス・ロ-ダミン法によるメタルインレーの辺縁漏洩について
Project/Area Number |
07672101
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
田村 尚治 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (30113129)
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Keywords | メタルインレー / 辺縁漏洩 / メルコックス・ロ-ダミン法 |
Research Abstract |
新鮮抜去ヒト大臼歯をエポキシレジン樹脂で包埋したのち,咬合面単純窩洞を#171カ-バイトバ-で形成した。ベベルは付与せず,バットジョイントにした。シリコーン印象後,模型作成,圧接法によりワックスアップ,咬合面は概形成し,窩洞中央に直径1.2mmのスプル-を植立,通法により12%金パラジウムで鋳造,酸浴を行った。スプル-を窩洞底面と平行にジスクで切断し,荷重の際の荷重点とした。(1)リン酸亜鉛セメント(エリートセメント),(2)グラスアイオノマーセメント((2)a.ハイボンドグラスアイオノマーCX, (2)b. Fuji 1),(3)接着性レジンセメント(スーパーボンドC&B セメンティングキットプラスVプライマー)の計4種のセメントをメーカー指示通りに練和,合着した。指圧30秒,荷重器10Kg 5分にて合着,余剰部を除去,湿気箱にて36度1日保管後,余剰部を再度除去後,5-60度の2000回のサーマルサイクルを加えた後,当教室で開発したメルコックス・ロ-ダミン法による辺縁漏洩試験を行い,60度24時間で重合を確実とした後,約8%塩酸で脱灰した。インレー体を実体顕微鏡下で観察した。インレーを合着した(1)(2)のセメントは塩酸で溶解され,(3)は全てインレーに付着していた。インレー底部(髄壁,窩底)に漏洩した割合は順に100,100,67,60%であった。側壁の観察では,裂溝の追及が不十分なアウトラインの場合,側壁への漏洩が裂溝より起こっているのが観察された。 結果 1.辺縁漏洩を起こさないと思われていた、メタルインレーに窩底までの漏洩が見られた。 2.リン酸亜鉛セメントの合着ではすべてのメタルインレーに窩底までの漏洩が見られた。 3.アウトラインも辺縁漏洩に影響する重要な要素である。
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